さらしな

3月のライオン 前編のさらしなのレビュー・感想・評価

3月のライオン 前編(2017年製作の映画)
4.3
原作未読。有名な作品なのでタイトルと将棋を題材にした作品だということは知っていたけれど、それ以上の知識はない状態での視聴。
とても繊細なヒューマンドラマであり、スポ根でもあったな、という印象。主人公の桐山をはじめ、登場する棋士たちはそれぞれに様々な思いや事情を背負って孤独に戦う。その姿は美しく、時に痛ましくもある。まさに命懸けで将棋と向き合い、ボロボロになりながらも、耐えて、這い上がっていく。
将棋の知識がなくても楽しめるし、俳優陣も豪華なのでそこも見どころ。特に、佐々木蔵之介演じる島田VS伊藤英明演じる後藤は必見。イケオジのガチンコ勝負はひたすら眼福だし、お二人の演技力も相まって文字通り身を削るような一局の緊迫感は物凄い。他にも、恰幅と気風が良いライバル二階堂を染谷翔太、桐山のことを何かと気に掛けてくれる学校の先生を高橋一生、桐山の育ての親を豊川悦司など、俳優さん目当てで見ても面白いかも。
桐山の境遇は辛いものではあるけれど、周りにはきちんと彼のことを見守ってくれる人たちがたくさんいるので、もっと周りの人たちを頼って、健やかに幸せに育ってほしい……。
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