さらしな

お嬢さんのさらしなのレビュー・感想・評価

お嬢さん(2016年製作の映画)
4.2
1930年代、日本統治下の朝鮮半島。詐欺集団に育てられた少女スッキは、藤原伯爵と名乗る男の結婚詐欺に協力することになる。伯爵は、ある金持ちの男の姪の秀子に目を付け、秀子と結婚して遺産を奪う計画を立てたのだ。スッキは秀子の侍女として屋敷に潜入し、二人の仲を取り持つ役目を負う。しかし、スッキは美しくどことなく陰のある秀子に惹かれてしまい……。
なんか怖そうだしエグそう、という先入観から興味はありつつ避けてきた映画。確かに独特な雰囲気ではあるが、思っていたよりも観やすいし、とにかく物語の展開が気になって見入ってしまう。サスペンスものとしてとても見応えがある。絶対にネタバレする前に観るべき。
また、耽美な救済系レズビアン映画としても素晴らしい。スッキの強さや純真さ、秀子の蠱惑的な美しさ、二人の異なる魅力が合わさって大変眼福だし、どうか二人で幸せになってくれ、と応援、というより懇願したくなる。
観る人を選ぶ映画ではあると思うので、一応注意点を。R-18指定相応の性描写があること、少しではあるが痛々しい描写が出てくること、度し難いレベルの変態が出てくること、あたりでしょうか。クスッと笑えるシーンも意外とあるし、映像は美しいし、少しでも興味のある方は観てほしい。
あと、最後に。秀子のおじは論外として、伯爵もクズな男だか、最後の最後はちょっと格好良かったよ。
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