でんき

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結のでんきのレビュー・感想・評価

4.2
前より面白くなって。でも新しいようで前のと変わってない。とにかく露悪趣味全開の映画。残酷、脇役(悪役)ばかり、能天気な作風、肝心のハーレイ・クインがそんなたいした美女ではない。でも途中からみんな団結してちゃんと仲間は助けて、最後義侠心に駆られて戦いに身を投じるから、何だこれじゃ悪役要素は関係ないんだよねって。これだとヒーローと変わりなくて。うん、根幹の部分では平成版『スーサイド・スクワッド』と同じだね。新「スーサイド・スクワッド」ってそんな作品。あとこの映画で久し振りに「ガン=カタ」観た。
とにかく世界観の繋がりはない前作より楽しくはなった。途中ハーレイ・クレンが敵に捕まって脱出するくだりは明らかに中弛みする。この作品立て続けにアクションがあって、ずっと楽しくて、でも次第に慣れてしまって何も感じなくなる作品だなって。まぁちょっと冷めた目で観てしまうとこもあるんだけど、それでも全然許容範囲で。そういえばちょっと前のキャスト見てみたら、あまり喋んなくてたいした活躍しないキャラクター多いね。それに比べたら今回だいぶ主要登場人物絞りながらそれらに見せ場があって、ちゃんと面白い作品に仕上げたんだな。そういえば何でハーレイ・クインってまともに戦闘訓練受けてないだろうにあんなに強いんだろ。
一番印象に残るのはピースメイカーかなぁ。おいおい大丈夫なのか?って言いたくなるようなダサいコスチュームに身を包んでて、そこには異常性を感じるんだけどめちゃめちゃ強いの。多分良心の呵責なく暴力を振るえるタイプ。愛国心は強いみたいで、こいつ今までどんな戦いを経てきたのかなぁ。でもなんとなく今まで自分を正当化する為に独善的な殺しも繰り返してきたのかなって想像させられる。
そうそう、気になったのは主役のロバート・デュボア/ブラッドスポート。戦う時のブラッドスポートとしての姿がスタイリッシュで、中のロバート・デュボアとしての個性に合ってない気がした。ロバートをイドリス・エルバが演じてるからけっこう歳食った戦士のはずなのに、ブラッドスポートはそれっぽさがなく若い人みたいな動きで。というかどうもイドリスより華奢に見えるような。最初出てきた時「誰急に出てきたこいつ?」って思っちゃった。もっとスーツアクター?スタントマン?にも身体での演技があればよかったと思うなぁー。それかもっと早い段階でブラッドスポートとしての姿を出して、観る側にロバートと一致させておくとか。重箱の隅をつつくようだけどあそこはもうちょっと上手くやれたよね。
最後は続編の予定なんてないだろうに、次回作への布石作っておいて終わり。アメリカのヒーローモノだもんなぁ。
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