Emma

南部の唄のEmmaのレビュー・感想・評価

南部の唄(1946年製作の映画)
4.8
差別云々で封印されてしまった名作の1つ。端的に言えば、賢く優しいリーマスおじさんと田舎にやってきたジョニー少年の心温まる物語。

ちなみに勘違いされてるようだが、舞台は南北戦争直後なのでリーマスおじさんらは奴隷ではない。
(終盤、リーマスおじさんが農園を自らの意思で出ていくシーンが証拠)

この作品、実は人種や貧富で差別することを批判した作品だと私は思う。
主人公のジョニーくんは典型的な金持ちの少年。祖母は農園を持ってるし、来ている服はいつも上等。
彼の1番の友人、リーマスおじさんは農園の労働者。他にもジニーやトビーと言った友人が出てくるが、彼らも貧乏な白人であったり、黒人であったり…ジョニーとは明らかに住む世界が違う人々。
それでもジョニーはそんな所気にするわけなく、彼らと遊んでいる。寂しい気持ちを抱えていたジョニーにとって彼らは救いであり、リーマスおじさんの物語は彼を成長させる大事な要素となる。

しかし、ここに釘を刺すのがジョニーの母のサリーである。

サリーはジョニーが黒人労働者や貧乏白人と仲良くすることをよく思わず、彼らを人種や貧富で差別している。無自覚な差別主義者である。彼女のせいでジョニーは大変な目に逢う。
無自覚な差別が人にどれだけの悪影響を及ぼすか。人との交流を妨げて子供の世界を狭めることがどれほど悪なのか。
そんな事せず、人種や貧富の差を乗り越えて互いに協力して行こうというのが本作の言いたいことだと思う。
ジョニーが将来どんな大人になるかよく考えて欲しい。彼がこの後の世界を作っていくんだから。

ちなみにアニメは素晴らしく可愛いし、曲も元気を貰える名曲。キツネどんが推し。
Emma

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