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ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうたのwarmgunのレビュー・感想・評価

4.8
「ハーツ・ビート・ラウド」鑑賞。今年の暫定No.1映画についに出逢えた。
俺の琴線に触れまくる、俺のために作ってくれたような映画。
母に先立たれた父と娘の親子。父親フランクはミュージシャンの夢を諦めNYの外れでレコード店を営むが商売っ気がなく閉店寸前。娘サムは音楽の才能があるがUCLA医学部に進学が決まっている。父親は娘とジャムセッションするのが楽しみだが娘はもう乗り気じゃ無い。しかしジャムで娘が作った曲「HEARTS BEAT LOUD」をSpotifyにアップすると業界から注目を集める。フランクはデビューに乗り気だがサムは医者になる夢を捨てない。レコード店は閉めることになり閉店の夜、最初で最後の親子バンドのライブを店で行う…
音楽好きの父親と娘の話。学費を稼ぐために仕事はしなければいけないが店は閉めなくてはいけない。好きな事を続けては生活していけない現実。どれも自分の今までの境遇と重なってしまい途中から正視できないほど動揺してしまった。それでも最後の夜のライブシーンでは涙が止まらなくて…
更に素晴らしいのは音楽。いきなりTweedyの「Summer noon」から始まり、途中レコード店の客でJeff Tweedy 本人まで登場。思えばTweedyはJeffとSpencerの親子ユニットだからフランクには理想であり羨望のミュージシャンなのだろう。
そしてなにより親子が作る曲がどれも素晴らしい。フランクのギターの音がすごくいいし、サムの声が素晴らしい。もちろんサントラをSpotifyでDLしたよ。
ここまで僕の心に響く映画にはなかなか出会えない。「はじまりのうた」「君が生きた証」が好きなら絶対に好きになれる。全ての音楽ファンと父親と娘達に見てもらいたい映画。
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