Yumyum

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~のYumyumのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

面白かったが、「リズ」の方の映画も一緒に観ないといまいち「物語の厚さ」にかけるなと思ってしまった。

みぞれちゃんと1年以上ブランクある休部してた友だちが合奏?(互いのソロ)するシーンとか、S1、2観てたら「いやいや実力差がありすぎて合奏(掛け合いのソロ)にはならいし、そのレベルではないだろ」と思ってしまうが、その詳しいところを本編でやらずに「リズ~で補強して見てね」な扱いなため、感動にかけるし、「オーボエソロ奏者の実力に対し実力が伴わないであろうフルート(だっけ?)奏者をソロで使わなければいけないような曲」をなぜ選曲して金を目指そうとしたのかが謎すぎた。
そりゃ金はとれないわな…と。(中盤でわかってたが…)

これをなぜ劇場版にしたんだろう?
何年かかってもいいから丁寧にアニメでやってほしかったな…
それほどまでにアニメ版S1~2のつくりが丁寧で重みがあり素晴らしかったのだ。

合奏シーンなどは美しく見ごたえはあるが人間関係の形成過程部分がはしょられすぎていて説明不足ともったいなさを感じる。

なぜみどりちゃんはビシバシ系になったのか、なぜみどりちゃんの下についた後輩はみどりちゃんを慕うのか(どう二人は関係性を構築したのか)がわからなくて終始モヤモヤした。

一番「なんで?」となったのは、はづきちゃんの下についた後輩は「ニックネームで呼ばれたくない」と言って拒否していた、みどりちゃんの後輩も同じ内容でトラブルになったのに、最終的に「嫌がってたニックネームで呼ばれる努力をせよ(受け入れろ)」で解決にならない解決をさせる暴力性に引いた。震えるほど体が拒否反応起こす「ニックネーム」に慣れさせ解決させよう(なんも「根本」を解決してない根性論)とする先輩怖すぎる…。

アニメ版の先輩たち(あすか先輩等)の方がまだまともで周りに気くばり、後輩にやさしかったので「これあすか先輩だったら、部長だったら、こんな解決方法は許さんだろ」と思った。傷つけた方を部に近づけさせないようにし、みぞれちゃんを守った先輩たちならこうはならんだろ、と期待してしまって…

いまいち顧問の先生がすきになれないので(これは熱血という名のモラハラパワハラ気質だよなという危うさを感じてしまい)キッツいなーと同じ大人としては引いてしまう。

海外みたいに「気楽にやる部活」と「プロを目指す活動(コンクールに出る等)」で「部活」を2つで分けてどちらも「プロ」の指導員をつければいいのに、日本は教師に背負わせすぎだなーとも思ってしまう。
「コンクールに出るガチの部活」と「息抜きで楽器を触れたい人を集めた部活」の2種類あればいいだけのはなしなのに…日本の教育現場(というかそれを指示する政府が)融通きかねーなと改めて思う。(これは運動部も同じ、「緩く運動したい(ヨガやストレッチ等)人用の部」と「大学目指したい人用の部」があってよい)

部活でいっぱいいっぱいだから恋愛にさける時間も心の余裕もない、は正直で良かったな。

ユーフォの新人の子もいまいち好きになれないままだった。
この子の過去における心のトラウマやそれに反発するために拗れてしまった闇を描く時間やエピソードが少なすぎた。この子にスポットを当てるなら他の新入部員に割いた時間を全部この子にあてるくらいで良かった。それくらいじっくり描いて人間味を感じたかった。

マジでこの2年生編は劇場版ではなくアニメで数クールかけて描いてほしかったな…
Yumyum

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