さらしな

ラストレターのさらしなのレビュー・感想・評価

ラストレター(2020年製作の映画)
4.3
地に足のついた、それでいて幻想的な、美しい日本の夏の風景に包まれた、不思議な後味の残る映画。
二児の母である岸辺野裕里の姉美咲の死を伝えるために姉の同窓会に出たところ、姉と勘違いされてしまい、そのまま美咲として参加したところ、裕里の初恋の相手である乙坂に声をかけられ、なんやかんや文通をすることになる。その文通に美咲と裕里の娘の鮎美、颯香もこっそり絡んでいくようになり、美咲の死の真実や、美咲、裕里、乙坂の甘酸っぱい三角関係が明らかになっていく。
高校時代の三人のやりとりや、鮎美と颯香の友情が、眩しいくらいに瑞々しい。
そして、裕里や乙坂などの大人たちは、これまた不思議な感じで、美しい風景の中に、現実的に馴染んでいる。
普通のおばさん感のある松たかこも、萎れた感じの福山雅治も、普通っぽさの中に類い稀なき清らかさを見せる広瀬すずと森七菜も、とても良い。一番の衝撃は豊川悦司ですかね。絶対にクソ男なのに、目を離せないような、ミステリアスな魅力によってクソ感が中和されちゃう感じが凄い……。
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