爽やか、温かさ、これに尽きると言っても過言ではない。
実話ベースの作品であるが故に、「こんなあったかい事実があったのか…」という希望と、「こんな酷い差別があったし、まだあるんだよな」という怒りと悲しみが同時に込み上げてくる。
観ていて、黒人差別の場面が映る度に非常〜に不快な気分になるけれど、それを凌駕するほど、トニーとシャーリーの友情から得られる尊さが素晴らしい。
たぶん、シャーリーは最初っからトニーの人となりを見抜いていたんだろうな。
「彼だ」って。
トニーは粗野で教養0みたいに見えるけど、その実、底知れないポテンシャルと繊細さを持ち合わせた人物。
彼がシャーリーのピアノ演奏を聴いてニコッと笑みを浮かべる場面。あの時点で、トニーもシャーリーに対してリスペクトを抱いたんだと思う。
友情ってのはお互いのリスペクトありきで成り立つ概念だと思ってるから、その構造をこんなにも見易く描いた本作はマジで傑作だ。みんな好きでしょ!
あと、ドロレスが可愛くて健気で非の打ち所がない善人で、所々彼女が出てくる度に作品の温かさが増していったように感じた。
素晴らしい作品に出会えて幸せ。