ASHITAKAAkino

オン・ザ・ロックのASHITAKAAkinoのネタバレレビュー・内容・結末

オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます


A24の人だわ あいさつしないと

こんな格好で平気?  笑顔を見せればいい

怪しいと思う人 手を挙げて

スプーンは2本ある? ひやっとしたよ

何度も言うけど 自分の時間を作らないと

なぜ女性が浮気をした時は"運命の巡り合わせ"なのに 男の場合は"秘書とのセックス"なんだ?


2024年映画13本目

派手すぎず、エモすぎず、シリアスすぎない良作。
もともとビル・マーレイにもソフィア・コッポラにも特別な思い入れはないけど、良かった。というか超好き。誰にでもあるうまくいかないときをユーモアとセンスで中和する。監督の生い立ちがまさにだけど、絵画や作家の固有名詞を乱発、教養高め、資産多めな人物造形と生活環境。そしてそこから派生する悩みの普遍性を観客はキャッチするのかも。

延々と恋バナを続けて勝手に吹っ切れるママ友(話を挟み込む余地すらない)、子育てで忙しく洒落た服よりボーダーやダボダボのメタルT、彼女が何を犠牲にして(人によるかもだけど)家庭を支えているか。父の連れて行く店と夫の連れて行く店の対比が面白い。プレゼントも粋。彼女が何を欲しがっているのかわかっている。それはラストでちゃんと落とし所に変換されているのも見事。

それからとにかくビル・マーレイの演技が良かった。表情というか、眼差しというか、シワの位置すらコントロールしてそうな顔の演技。ユーモアのある台詞も相まってチャーミング。子どもの頃からこういう大人たちに囲まれていたのだろうな、とも。最初の台詞のやりとりなんて、マフィアかよ、と思えるくらいだし。
ラストにはちゃっかり監督の夫のバンドの曲が流れて笑う。Phoenix大好き。創作と家庭と両親の関係性やバランスを軽やかに朗らかに描く。監督のバックグラウンド込みで人選は大正解のプリシラが楽しみ。
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