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これからの人生のbirichinaのネタバレレビュー・内容・結末

これからの人生(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ソフィア・ローレンの代表作の1つといえる作品
2021年ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 最優秀主演女優賞!
2021年NYタイムズが選ぶ最優秀演技女優部門第6位!
・・・
ソフィア・ローレンの存在感が圧巻。モモ役の少年もとても役にはまっていた。
モモは幼い頃に両親が亡くなり、老医師コーエンに引き取られている。モモのセリフから推測するに、セネガルから一家で密入国、父親が母親に売春をさせていて、嫌がる母親を父親が殺したか、母親が父親を殺して自殺したしたらしい。そのモモが時々見せるニマッとしたほほ笑みや、やんちゃな態度がいい(ヤクの売人から営業用スマホをもらって喜びで踊り出したり、マダム・ローザを笑わせようと変顔をしたりetc.)。
ソフィア・ローレンは老いているけど美しい。元娼婦という設定もあるけれど、衣装も一般的な老女とは全然違って粋だ。病院から逃げ出して自分の地下室に潜んで警察に見つからないように息を殺している時だけは少女のようなブラウスとカーディガンで、その時の彼女の表情はゲシュタポに見つからないように隠れ家で息を潜めていた少女の表情だった。
マダム・ローザの朋友らしき老医師コーエンも実はユダヤ人だったらしいことを最後の葬儀の場面のキッパでちらりと見せ、マダム・ローザとコーエンの強い同胞の絆があっただろうことを示すのは心憎い演出だった。

・テーマ曲は2021年ゴールデングローブ賞受賞。サビが「アナと雪の女王」に似ているのがアメリカ人に受けた? それも戦略か??
・マダム・ローザに子供を預けている娼婦を演じたスペイン人俳優は有名なトランスジェンダー映画人だそう。
・モモの夢に出てくるメスライオン(母親の象徴)、モモがアフリカ人じゃなかったら何の動物になるだろうと考えたが思い浮かばず。
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