Yumyum

キャラクターのYumyumのネタバレレビュー・内容・結末

キャラクター(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

こんな予想通りに進む展開でええんか?!という(勝手ながら)心配があった映画だった。

「幸せそうな4人家族」というカテゴリに執着し殺人をおかす犯人の殺人現場をたまたま見てしまった漫画家志望のアシ(最初の時点では)の話なんだが、「自分が関わった(その場に居合わせた)殺人現場をモチーフにした漫画を描いてあろうことか連載しちゃう」漫画家(志望)、倫理観なさすぎてマジで漫画家というか創作の仕事に携わるの辞めてほしいと思った。

主人公のマインドが、SNSで「最近街で見た人を人間からネコに変換しただけで、事実のまんまフィクションも情報の暈しも入れずに、見る人がみたら誰のことかわかる内容だけどバズりたいのでとりま漫画にしました」って感じの炎上作家マインドすぎて怖すぎた。

100歩譲って、主人公がこのマインドでも、この映画のストーリーが「主人公がこの漫画を描くことで、実際の殺人現場(被害者)をエンターテイメント化(漫画化)に加担したことで搾取、消費した」って理由で被害者の幽霊から呪われる漫画家の話、だったらめちゃめちゃ良かったのに。

小栗旬のキャラクターにあそこまでキャラ付けしたのに(元ヤクザ?でばぁちゃんしか身内がおらず昔苦労を云々~的な)結局活かされてないのが気になった。

見た目じゃ他人のことなんてわかんないよ、ってことをいいたいなら元ヤクザなんて突拍子のない記号的キャラ付けはいらないし、逆に元ヤクザって設定をいかすなら元ヤクザの仲間からムショで聞き込みする、みたいなシーンくらいほしかった。

幸せそうな4人家族を狙う殺人犯、主人公の妻が妊娠、で「あー子どもは双子ね」と序盤でわかるし、殺人現場を「まんま」描いたら、そら殺人犯から目ぇつけられるから最後は主人公vs殺人犯になるやろな、と開始20分前後くらいで大まかなあらすじが予想できてしまうのが残念。

ラスト、実家から自宅に向かう主人公にあんなにいる警察官のうち誰も同行せず、かつタクシーつかったんだかしらんが、パトカーより早く自宅に到着し犯人とやり合うシーンの移動時間や諸々の矛盾に「なぜそうなる?」と思ってしまった。

犯人が「(カルト)宗教2世」なんだが、最近(2020年~)宗教2世の方についての書籍や実態、被害等がやっと表に出てくるようになった、被害者の2世の方々が声をあげられるようになってきた時期に、フィクションとはいえ「わざわざ宗教2世の殺人犯」を描く意味って?…とモヤモヤしてしまった。
なんか「トランスジェンダー」の方がようやく世間に知られ始めた、言葉として定着し始めた矢先に「羊たちの沈黙」が流行った嫌~な"流れ"を感じてしまう。
マイノリティーを「殺人犯や凶悪犯」にしたくなっちゃうその心情はなに?
Yumyum

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