ダイゴロウさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

3.6

石川瑠華演じるユカのリアルな嫌さ…。

少し良い台詞は誰かの二番煎じだし、息をするように嘘をつき、責められた際には被害者面をする…。

ただ、この人間としての中身が空っぽな感じは、程度の差こそあれ、他
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

映画館にて鑑賞。

演技、演出、美術、物語に終始圧倒され続けた141分。圧倒的18禁。
エマ・ストーンの体の張りかたにも驚かされる。(『ラ・ラ・ランド』で既にアカデミー主演女優賞を獲得しているのに、挑
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風花 kaza-hana(2000年製作の映画)

3.7

相米慎二監督の遺作。

浅野忠信らしからぬ浅野忠信が観れる作品。
行き場の無い2人の旅が描かれる。
地味でドライな作品だけど、優しさに溢れている。
小泉今日子の演技が素敵だった。

台風クラブ 4Kレストア版(1985年製作の映画)

4.0

リバイバル上映を映画館にて鑑賞。
相米慎二監督の代表作の4Kレストア版。

台風による大気の不安定さと思春期の不安定さが混ざりあい、ある種狂気じみた世界が描かれる。
台風は災害であり、決して楽しいもの
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ヤジと民主主義 劇場拡大版(2023年製作の映画)

3.9

映画館にて鑑賞。

映画というよりテレビ番組。
とは言え、内容は非常に興味深くて見応えがあった。

ヤジの政治的な思想は置いておいて、警察は自分の行動の法的根拠ぐらい共有したうえで業務にあたるのは当然
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宝島(2018年製作の映画)

3.9

ギヨーム・ブラック監督作品。
パリ北西のレジャー・アイランドのドキュメンタリー(的な)映画。

レジャー・アイランドで過ごす子供たちや老人、スタッフなどをただ写した映像を流す作品であるため、物語性こそ
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釣りバカ日誌(1988年製作の映画)

3.8

人気シリーズの第一昨。
夫婦の営みの描写が斬新。

浜ちゃんは少し極端ですが、仕事と趣味の比重において、仕事に重きを置いている人が日本には多すぎるのかもしれません…。
仕事は生活の手段に過ぎず、趣味は
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菊次郎の夏(1999年製作の映画)

4.2

誰でもどこかで聴いたことがあるであろう久石譲の『Summer』が最高。

北野武監督作品の中でも、暴力要素が抑えられた作品であり、万人に勧めやすい傑作でした。

やや下向きがちな子供が、色んな意味で特
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ションベン・ライダー(1983年製作の映画)

3.5

ミニシアターで鑑賞した相米慎二監督作品。

(非現実的なほど)若者のエネルギーがほとばしる点は、代表作の『台風クラブ』や『お引っ越し』に通ずるものがありました。

とにかく運動量がすごい。走って、落ち
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東京上空いらっしゃいませ(1990年製作の映画)

3.8

ミニシアターで鑑賞。
相米慎二監督作品。

鑑賞後、井上陽水の『帰れない二人』の歌詞が刺さる…。
交通事故で死亡してしまったキャンペーンガールが主人公ではあるが、暗い作品ではなく、寧ろ明るくて楽しい映
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エル・スール(1982年製作の映画)

3.9

寡作で知られるビクトル・エリセ監督作品。(瞳をとじての予習。)

相変わらず景色が美しく、静かな作品。

「エル・スール(南)」を最後まで描かない締め方に、潔くて渋い印象を持ったものの、これは予算の制
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.8

ビクトル・エリセ監督の代表作。(新作のための予習で鑑賞。)
スペインの小さな村の風景がとにかく美しい作品。

少女たちの衣装もきまっている。
(アナ・トレントがとにかく可愛い。)

宮本武蔵 二刀流開眼(1963年製作の映画)

3.6

内田吐夢監督の宮本武蔵シリーズの第三作目。(全五作)

登場する佐々木小次郎扮する高倉健のミスマッチ感が面白い。
アンチ武蔵のストーカーと化したおばばは、武蔵への憎しみから生命力を得ているのだろうか…
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.0

シーツに目のための穴をあけただけの旧時代的なゴーストの表現が逆に新鮮で面白い。

愛し合っていた夫婦のうちの夫が交通事故で死亡し、ゴーストとして愛する妻を見守るという非常にシンプルで静かな内容。(パッ
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夏の庭 The Friends(1994年製作の映画)

3.9

相米慎二監督作品。
湯本香樹実の小説「夏の庭」の映画版。
(原作は繰り返し読むほど好きな作品です。)

三國連太郎演じるおじいさんが少し男前過ぎて、とても死にそうにはみえなかったのはご愛嬌。

淡島千
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飢餓海峡(1965年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

内田吐夢監督のサスペンス作品。

同監督の「宮本武蔵」や「大菩薩峠」のような派手目な作品とは大分テイストが異なる印象の作品で、描かれる悲哀を十分に含んだ人間ドラマは、俗っぽく評すれば「火曜サスペンス劇
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サウンド・オブ・ミュージック(1964年製作の映画)

4.7

子供の頃から繰り返し鑑賞させられてきた、特別な作品。

「Do Re Mi」や「My Favorite Things 」など、音楽の教科書に載るような、誰でも聴いたことのある有名な名曲たちを生んだ作
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宮本武蔵 般若坂の決斗(1962年製作の映画)

3.7

内田吐夢監督シリーズ第二作。(全五作)

「剣は念仏ではない!命だ!」
一作目終盤の修行により、精神的に大人になった宮本武蔵の武を追求するような旅が描かれる。

本作の見所はなんといっても、般若坂での
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裏窓(1954年製作の映画)

3.9

ヒッチコックのサスペンス映画。

主人公が足を怪我したカメラマンで、裏窓から隣のアパートなどの景色を暇潰しがてら観察している際に、不可解な事象を発見し、推理していく作品。

主人公のいる部屋と裏窓から
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宮本武蔵(1961年製作の映画)

3.8

内田吐夢監督の宮本武蔵シリーズの第一作目。(全五作)

三國連太郎演じる沢庵がとにかく魅力的。

暴れん坊でがさつな宮本武蔵が大人になるまでの作品。
シリーズの中でも特に展開が派手な回だと思われる。(
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生れてはみたけれど(1932年製作の映画)

3.9

小津安二郎の無声映画。
活弁とフルート&ギターの生演奏つきで鑑賞。

活弁と演奏付きでの鑑賞は初めての経験で、特に序盤は感動していたのですが、良い意味で途中から、活弁も演奏も自然に馴染んできて、純粋に
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七人の侍(1954年製作の映画)

4.0

言わずと知れた黒澤明監督の代表作。

200分を越える超大作ながら、飽きずに楽しめる点は流石。(とは言え、少し長過ぎる印象は持ちました…。)

古い作品なのに、面白いハリウッド映画を観ているような感覚
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大菩薩峠 完結篇(1959年製作の映画)

3.6

内田吐夢監督の大菩薩峠シリーズ完結編。(全三部作)

ストーリーは三部作にわたってほぼ平坦な印象があったものの、本作は完結編らしく力は入っていたと思う。
特に放火されたあとにぬらりと出てきて切っていく
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(2023年製作の映画)

3.6

ウェス・アンダーソン監督のショート作品(全17分)。

豪華キャストによるコントと言える作品で、笑えました。

Netflixありがたい…。

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

4.1

「羅生門」に続き、黒澤明監督作品2作目の鑑賞。
続けて観た名作「七人の侍」より個人的に好みの作品でした。

2時間越えの作品で、やや冗長な印象こそあるものの、好みのシーンが多く、爽やかな気持ちで鑑賞で
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千年女優(2001年製作の映画)

4.6

リバイバル上映を映画館にて鑑賞。
大学生時代にDVDで鑑賞して以来の鑑賞でしたが、映画館で改めて鑑賞できて本当に良かったです。

マイベストアニメ映画かも知れません。
(少なくとも、今敏監督作品では一
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大菩薩峠 第二部(1958年製作の映画)

3.4

シリーズ三部作のうちの第二作。

失明したことで、主人公の存在感が増し、一作目より楽しく鑑賞できたものの、展開がどうしても少なく、これといって楽しくはななかった。

完結編が楽しみ。

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.2

「偏見は真実を曇らせる」

ずっと観たかった本作。
最高に面白かった!

陪審員に選ばれた12人が、父親殺しの容疑をかけられた少年の判決について、1室の部屋の中で話し合う会話劇。

陪審員の職業や性格
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大菩薩峠(1957年製作の映画)

3.2

内田吐夢監督作品。
三部作のうちの一作目。

開幕からご老体を一刀に切り捨てるドのつく畜生が主人公の時代劇。

主人公が強くとも「悪どい武士」という設定が個人的には新鮮に感じた作品で、ダークヒーローと
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彼方のうた(2023年製作の映画)

3.5

映画館にて鑑賞。

初めて杉田監督の作品を鑑賞したもので、真偽も定かではないが、旧作の登場人物も少し出てたらしい。

非常に繊細な作品で、相当感度が良くないと、色々と吸収できずに終わってしまう映画だと
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どたんば(1957年製作の映画)

3.6

初めて鑑賞した内田吐夢監督作品。

長雨を原因とした炭鉱での落盤事故により、暗闇に取り残された5人に対する数日間の救出劇が描かれる。(現実の事件を元にした作品らしい。)

取り残された5人が主人公かと
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.0

映画館にて鑑賞。

初めて鑑賞した、ケリー・ライカート監督作品。

非常に静かな作品ゆえ、序盤は眠気に襲われたものの、熱い友情が染みてくるような、温かな傑作でした。

最後の場面でキング・ルーの一瞬の
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

3.8

フランスの恋愛映画。

フランス人の恋愛に対する価値観が描かれているとか描かれていないとか(共感はしがたい。)

諦めの悪いピエールよりも、遊び人のアンリがモテるのは分かる…。
とは言え、純粋な若者の
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羅生門(1950年製作の映画)

3.8

初めて鑑賞した黒澤明監督作品。

芥川龍之介の『羅生門』かと思えば、内容は同氏の『藪の中』(設定の一部が羅生門)という紛らわしさ…。

内容的にはとにかく皮肉たっぷりで、罪を被ってでも面子が大事な当時
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.9

怖くて、不快だけど凄い!作品を観たい気分の方にはお勧めしたい。

主人公がヤバい家族に巻き込まれていく系のストーリーかと思っていたら、主人公がどんどん常識から逸脱していって…

「イニシェリン島の精霊
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ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

3.3

ウェス・アンダーソン監督のショート作品(17分)。
髪型によるのか、レイフ・ファインズがネズミに見えてきて面白かった。

短い作品ながらも、気持ち悪いシーンがあるので要注意。