ダイゴロウさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Shall we ダンス?(1996年製作の映画)

3.2

時代だから仕方ないのだろうが、セクハラだったり容姿いじりだったり、現代だと完全にアウトな要素がちらほら。

自分の心が狭いのか、役所広司演じる主人公の杉山が普通に許せなかった…。

本気だろうが浮気だ
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月世界旅行(1902年製作の映画)

3.5

1905年公開の世界初のSF映画らしいが、寧ろファンタジー映画と言うべき娯楽作品だと思う。

大砲を打ち込むような月への行き方は斬新で面白かった。
本作以前の映画(動画?)な作品と比較して、フィクショ
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ターミネーター2(1991年製作の映画)

4.1

「1作目より評判の良い続編」の代名詞的な作品。

やはり、1作目で恐ろしかったシュワちゃんの立ち位置、真っ当に未来を変えにいく王道ストーリー、序盤から迫力満点のアクション…と、SFアクション映画の娯楽
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小原庄助さん(1949年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

♪小原庄助さん なんで身上潰した
朝寝 朝酒 朝湯が大好きで
それで身上潰した
はあもっともだー もっともだ♪
この歌が癖になる…。
屋敷を歩く場面のカメラワークが気持ち良すぎる…。

先祖伝来の立派
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パディントン(2014年製作の映画)

3.6

イギリスの児童文学作品と言うことで、ストーリー自体は子供向けの印象でしたが、美術や演出の可愛さが目を引く作品でした。

こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.1

本作の妻は確かに不足している部分はあるものの、彼女を壊しているのは夫の方だと思う。

仕事で妻との約束を守れないのは仕方ないとしても、早めに連絡も入れないし、翌日二人で過ごそうなんか言いつつ、前触れも
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ターミネーター(1984年製作の映画)

4.0

シュワルツェネッガーの体格がえげつない。

シリーズとして2作目が人気ですが、1作目の敵としてのシュワルツェネッガーもなかなかにおつでした。
結果が収束していくようなタイムリープものとしての気持ち良さ
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PASSION(2008年製作の映画)

4.1

濱口竜介の卒業制作。

浮気や片恋を描いたシリアスな会話劇。

はじめての濱口竜介監督作品でしたが、これは凄いと思わされました。

他の作品を観ていくのが楽しみです。

血槍富士(1955年製作の映画)

3.8

内田吐夢監督作品。

相変わらず題名の付け方がなんとも…。

終盤の槍持ちの泥臭い暴れっぷりが悲しくて切なかった。

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.2

スタンリー・キューブリック監督の代表作の一つ。
絵になる構図、美術の最たる作品だと思う。

音楽と静寂の使い分けも見事。
静かな空間でHALが暴走する展開は、SF映画ながらホラー映画のような恐怖すら感
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有りがたうさん(1936年製作の映画)

3.9

道を譲ってもらうなど、他人の親切のたびに気持ち良く「ありがとー」と声をかけることから「有りがとうさん」として慕われているバスの運転手が主人公(上原謙)の作品。
終着点までの道中、乗客やすれ違う人々との
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.1

人種差別的な作品である「國民の創成」の口直しに最適なタランティーノ監督作品。(お陰様で無事にメンタルが回復。)

途中、出てくる白いシーツを被った差別主義者集団の阿保っぽいやり取りにほっこり。

しか
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國民の創生(1915年製作の映画)

2.0

1915年公開、3時間長の古き長編映画。
映画「ブラック・クランズマン」では、劇中でKKKが喝采を上げながら本作を鑑賞している。

映画史に残る作品であるが、本作をただの傑作と評するのはあまりにも不快
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駅馬車(1939年製作の映画)

3.8

1940年公開と、かなり古い作品ながら古さを感じさせない普遍的な面白さがある名作西部劇。

アパッチ族襲撃シーンの迫力がすごい。
(スタントマンが有名な方であったのは知りませんでした…。)
どの時代の
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浮雲(1955年製作の映画)

4.0

はじめての成瀬巳喜男監督作品。

戦時中のインドシナでの情熱的な記憶。
終戦後もこの過去を忘れることができない女と、同じく忘れることができていないであろう男の物語。

酷い男なのに色気があって、嫌いに
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真夏の夜のジャズ(1959年製作の映画)

3.8

劇場版『BLUE GIANT』の影響を多分に受けつつ鑑賞。
やたら狭い範囲のアップ画が多く、ライブ映像としては好みじゃなかった…。
拡大し過ぎてステージの全容が見えないどころか、演奏の手元すら見づらい
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タイタニック(1997年製作の映画)

4.6

子供の時分の鑑賞体験の記憶を頼りに「3.8」なる点数を付けていたのですが、改めて記憶というものはあてにならないと痛感した。

お見逸れいたしました。
ラブストーリーとしても、ヒューマンドラマとしても、
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新幹線大爆破(1975年製作の映画)

3.9

高倉健が主演として犯人役を演じるサスペンス映画。

スピードが80kmを下回ると爆発するという設定から、キアヌ・リーブス主演の「スピード」を思い浮かべる人も多いと思うが、両方とも黒澤明の「暴走機関車」
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.0

小津安二郎最後の監督作品。

小津が自身を豆腐屋に例え、豆腐しか作れないと語ったように、嫁に行く娘と父親という構図やテーマが「晩春」と酷似しているが、本作は(悪い)旧友との掛け合い等、よりコメディチッ
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.7

映画を観る上でアメリカは外せないし、アメリカを語る上で根深い人種差別問題は外すことができない。

本作は直接的で分かりやすい黒人差別が描写されているわけではなく、黒人に対するバイアスを強烈に皮肉るかた
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アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

4.0

いくら出世のためとは言え、自分のアパートの鍵を上司の浮気のために貸すだろうか…なんて、突飛な設定に驚きつつも、良質なラブコメ展開にすっかり夢中に。
この時期のアメリカ映画の中で、かなりお気に入りの作品
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かいじゅうたちのいるところ(2009年製作の映画)

3.3

子供の時分に読んでもらった絵本『かいじゅうたちのいるところ』の映画版。

絵本の内容だとあっという間に完結してしまうので、割りとうまいこと内容を引き延ばした印象のある劇場版でした。
特に遊びの自由感は
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残菊物語(1939年製作の映画)

3.8

溝口健二監督の代表作の一つ。

旧さ故か、音質がなかなか厳しく、やや鑑賞しがたい側面がある…。

歌舞伎役者と弟の若い乳母との身分差の悲恋(ロミジュリ)を描いた作品。

養子ながら座長である父親の二代
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晩春(1949年製作の映画)

4.7

かの小津安二郎監督作品。

妻の実家で鑑賞したが、今まで見た映画の中で、一番泣けたかも知れない…。

娘をいい加減嫁に出そうとする父親と、家に残りたいと考える娘の話。
名優、笠智衆演じる父周吉がいい男
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

3.8

シャンタル・アケルマン監督の代表作。

10年に一度紹介される英国映画協会と、Sight & Soundによる世界の批評家、映画人の投票により選ばれる史上最高の映画TOP100の1位に選ばれた3時間超
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これがロシヤだ/カメラを持った男(1929年製作の映画)

3.3

物語無し、ひたすら種々の映像を流す前衛的な作品。(一応、ドキュメンタリー映画扱いらしい?)

途中苦しかったが、終盤に面白い構図の画が断続的に流れてきて、満足感もあった。

赤ちゃん教育(1938年製作の映画)

3.6

不条理系の笑いに溢れた「ラブコメ」作品。
1938年の作品なのに旧さはそこまで感じず、終始ハイテンションで102分走りきってる点は素晴らしい。

キャサリン・ヘプバーン演じる愛嬌ヒロインを許せるかどう
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別離(2011年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

アスガー・ファルハディ監督の代表作。

重厚な脚本で2時間飽きることなく画面に釘付けに。
イランのお国柄なのか「嘘」が多用される点は、同監督の他作品と同様であるが、本作はより脚本が秀逸で、娘の「嘘」に
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砂の器(1974年製作の映画)

3.8

クライマックスの盛り上がり。
演奏と親子の壮絶な過去が重なりあうような演出が良かった。
子供の表情が特に印象に残った。

ひまわり(1970年製作の映画)

3.6

車窓から覗くひまわり畑があまりにもぶれていて、ほとんど処理落ちみたいな映像になっていたのが面白かったが、恐らく狙いあってのことなんだろうと思う。

アントニオのひどく自分本位な決心に共感を覚えることが
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火祭り(2006年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

アスガー・ファルハディ監督のイラン映画。

浮気の疑いで険悪な状態の夫婦が住む高層マンションに、家政婦として雇われた純朴な主人公が、浮気の調査に協力したり、ふたりの間をうまく取り持ったり…。

結婚に
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彼女が消えた浜辺(2009年製作の映画)

4.1

アスガー・ファルハディ監督のイラン映画。

イランの中流階級の3夫婦と子供たちは、離婚したばかりの友人アーマドと、娘の幼稚園の先生エリを呼んで海辺でのバカンスを楽しむ。
当初からの目論見もあり、みんな
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デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

車で轢き殺すのでなく、助手席に座らせておいて、急カーブ急ブレーキの慣性で殺すという発想に驚く。
デスプルーフをフルに活用した正面衝突のシーンの衝撃たるや…。

序盤の盛り上がらない展開から一気に駆け抜
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囚われの女(2000年製作の映画)

3.8

シャンタル・アケルマン監督作品。

相変わらず、彼女の描く人間関係はどこか無機質で冷たい印象があるが、本作の彼らの内面には燃えるような感情が確かに感じられて良かった。

「囚われの女」とあるが、囚われ
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シックス・センス(1999年製作の映画)

4.2

映画館にて「ハプニング」を鑑賞して以来のシャマラン監督作品。

展開の衝撃もさることながら、どんでん返しに頼った風の作品でもなく、シンプルなストーリーにもしっかりと惹き込まれました。

展開を知った上
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按摩と女(1938年製作の映画)

3.9

清水宏監督作品。

盲人の按摩の鋭い勘を、愛情が鈍らせる…。

古さこそ拭えない気もしたものの、白黒映画ながら温泉街にある確かな自然と綺麗で澄んだ空気すら感じられるような、気持ちの良い傑作であった。
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