レスターさんの映画レビュー・感想・評価

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

3時間の尺の割にはテンポが良く、最後まで楽しめたのは編集の手腕か。
退屈な箇所はないわけではないけど。

オッペンハイマーの功績と苦悩、ストローズとの対立の内容になっている。

冒頭の引用に当てはめる
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.0

事故死か殺人か、自殺なのか、ミステリーだけど真相を解き明かす映画ではない。

平和に見えた夫婦の隠れた闇が裁判によって解剖されていく。

夫婦の罵り合いは子供にとって辛いものだし、あれが妻と夫逆ならD
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.0

PMSとパニック障害の人間が、お互いに理解し合って支え合うという内容。

職場の人達も、対応が分かっているという感じで、山添くんや藤沢さんの事を支えている。

ゆったりとしたテンポで心地良い映画だった
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.0

エリセの約30年ぶりの新作。
「ミツバチのささやき」のアナ・トレントも出演している。

全盛期とまではいかないが、序盤や終盤にエリセの画力を感じる。

映画愛と、人生の追憶と老いのあり方を描きたかった
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

公衆トイレの清掃員という、背景に溶け込んでいる影のような職。

孤独な昭和のような生活を送りながら、平山からは社会との僅かな繋がりを大事にしている様子が伺えて、これは繋がりの映画なんだと思った。

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ティル(2022年製作の映画)

3.0

1955年に起きた実際の事件の映画化。
こんな事で殺されてしまうんだと信じられないが、南北戦争の頃からの火種がまだまだ燻っている。

息子を世間に晒す事になる、母親の感情と葛藤が見もの。
「ただ犯人に
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.0

これと言った事が起こらず、シュールに優しく展開していく。
日本で言えば昭和の雰囲気が漂う。
これぞカウリスマキ。

中年の不器用な男女、すれ違い、再会したくても出来ず、お互い否定していても惹かれ合う。
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.0

2画面の分割で、老夫婦の最後の日常を描いている。

人生は夢の中の夢。
死に対する問いと尊厳、残された者への共存について。

ノエ監督にしてはギラついてないが、撮り方はやはりノエイズムを感じる。

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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.0

戦場の犠牲や悲惨さを主に描いていて、淡々と歴史の出来事をなぞってる印象。

戦闘シーンは迫力があるが、個人的にはナポレオン自身の葛藤や思いにもっとスポットを当てて欲しかった。

ジョゼフィーヌが言うよ
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(2023年製作の映画)

3.0

北野作品としては大人しく、暴力描写もあるがコミカル要素が強い。
タイトルだけあって、序盤から首がばんばん飛ぶ。

この映画の主人公は、実は首に取りつかれた茂助なんじゃないかと思う。
首はどうでもよくて
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正欲(2023年製作の映画)

4.0

人と違う生きづらさを感じてる人同士の、繋がる事の大切さを伝えてるんじゃないかと思う。

感じてはいけない欲なんてない。
それでも受け入れられない人達に押し殺されてしまう不条理さ。
ラストの尋問シーンが
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.0

怪獣パートのCGやVFXのクオリティは高いが、人間パートのドラマ性が薄く、悪い意味で地上波ドラマを観ているようだった。

戦後を舞台にしてる割にはメッセージ性が薄く、これなら戦後舞台じゃなくてもよくね
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雪豹(2023年製作の映画)

3.0

東京国際映画祭。

雪豹の恩返し?のようなシーンもあるが、結局は「現場の言い分」と「現場を知らない(国としての)言い分」の平行線が主な内容な気がする。

主人公と奥さんの電話もそんな感触がある。

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タタミ(2023年製作の映画)

5.0

東京国際映画祭。

イランの政治的圧力に必死に抵抗しながら、不屈に大会を勝ち進める女性柔道選手。
ヒジャブの女性はなんと不条理なのだろう。
それでも、柔道の試合シーンはカメラやアングルが素晴らしく、準
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マリア(2023年製作の映画)

4.0

東京国際映画祭。

実話を基にした、イランの宗教感による女性の生きづらさをミステリー調で描いた作品。

イランのミステリーは、唐突に起こる衝撃的な展開や、カメラワークなど個人的に刺さって面白い。

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鳥たちへの説教(2023年製作の映画)

3.0

東京国際映画祭。

この監督は「クレーン・ランタン」「死ぬ間際」と大好きなのだが、今作は正直難解だった。

ひたすら反復とポエムが流れる。
メッセージは何となく分かるのだけど、流石にしんどい。
画は文
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.0

東京国際映画祭。

ヨルゴス監督はクセつよ作品が多いが、今作はSFかファンタジーかのような独特の世界観、変人キャラ郡、下ネタとシュールな笑いと、さらに一段とクセつよ作だった。

世の中の常識的な価値観
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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

4.0

東京国際映画祭。

ベロッキオらしい作品。

宗教の前には人権も無力なのか、なんという理不尽。
恐ろしいのは本人が意図せず、無意識に、教育という形で改宗してしまう所だ。

恐らく当時の情勢が反ユダヤ教
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

スコセッシ×デニーロ×ディカプリオという安定感。
特にディカプリオの表情が見もの。
「金も妻も両方手放したくない」という矛盾と葛藤が主な軸。

原住民であるオセージ族との策略結婚により、石油の権利を合
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.0

こんな事ってあるんだな。

幻影のリチャード3世がなんとも言えないキャラで好感。
子供達や父が見たら明らかに頭おかしいのだがw

骨が見つかってからの大学側、こういう立ち振る舞いどこの世界でもありがち
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ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

3.0

挫折と再生の物語。
本物のダンサーが主演なので、バレエシーンや踊りが見どころ。

全スポーツにも言える事だが、トップを争うだけでなく人々を楽しませる道もある。
今までの事が無駄になるわけではなく、新し
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.0

言わずもがな、縦横二次元的なカメラワークと、豪華キャスト陣。
前作よりはずっと良い。

アステロイド・シティでの原爆実験や宇宙人、外の構造の劇中劇など、50年代のアメリカが詰まってる気がした。

とは
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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.0

ケイトブランシェットの怪演というか演技は見もの。
こういうメンタルに問題を抱えてる役が似合うなぁ。

突拍子もない行動に第三者目線からするとイライラもするけど、芸術家とはそういうものかもしれない。
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あしたの少女(2022年製作の映画)

4.0

韓国の高校生が、就職先に事前アルバイトで出向するが、ブラックすぎる体制で観ていてしんどくなる。

2部構成の1部が女子高生ソヒの物語、2部がペ・ドゥナ演じる正義感の強い刑事の物語。

韓国は日本より、
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熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

3.0

イランの制度や政治に切り込んだ作品。

パナヒ監督作は何作か観た事あるが、映画製作禁止令を食らってるとは知らなかった。

映画はフィクションだが、どれがフィクションでどれがノンフィクションなのか、情報
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劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)(2023年製作の映画)

3.0

ややギャグ要素が多いが、昔のシティハンターらしい展開で内容は好き。

挿入歌もTMN。
他カメオ出演もある。

原作序盤の因縁の内容なので、獠の感情がもっと出ても良かったと思う。
敵の目的もよくわから
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ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)

3.0

イスラエル映画「フットノート」のリメイクだったのか。
リメイク元は過去に観た気がする。

コメディ調に父と息子の蟠り~和解を描いている。
手違いの原因も酷いが、謝罪とかもなく、解決を当事者にまかせるの
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.0

このシリーズはいつも、どんなストーリーだったか忘れてしまうが、トムのアクションを楽しめれば良し。

今回もアクションとチェイスの連続で、生身でこなすトムには脱帽。

予告で散々流れていた、バイク飛び降
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.0

スーパーマリオの世界観をしっかりと抑え、思っていたより面白かった。

ピーチが積極的に戦うあたりは、近年のディズニー味を感じる。

音楽も原作のアレンジ等が豊富に流れ、昔からゲームに触れてた身としては
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.0

詳しい事は言えないけど…ナウシカやもののけ姫のようなスケールの大きいメッセージというよりは、監督自身が個人に向けたメッセージに思える。

ジブリには珍しく観る人を選ぶ映画で、解読しようとしても明確な答
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

ファンにとっては最高のファンサで、「ここは1作目のアレね」等、過去作オマージュ盛り沢山なのが嬉しい。

数ある昔の続編映画としては、これ以上の出来にはならないと思う。

昔に比べるとテンポがやや遅く、
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.0

話の展開は好きだけど、スピーディなアクションが多くてお腹いっぱいになってしまった。

とはいえ、バースの違いを作画で表現するのは良い。
まさかのバースも登場していて「このコラボありなん?」と思うほど。
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怪物(2023年製作の映画)

4.0

前半パートだけ観ると、「誰が怪物か?」という思考になるが、最後まで観ると、「怪物」とは、周りの先入観や噂によって仕立て上げられるものなんじゃないかと思える。

限られた情報だけで決めつけてしまうのは、
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.0

舞台は2010年だが、2000年代にボリビアで実際起こった事がモデルらしい。

焦点は村から去るか男性達と闘うかの論争で、民主主義の原点でもある。

個人的には、キリスト教への深い信仰が、目の前の地獄
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.0

ワーナーブラザーズ試写会にて。
エンドロールなしVer。

DCEU改めDCUスタート1作目なので気合いが入ってる事がわかる。

軸の脚本も良いと思う。BTTFは必須科目で。
だけどMCUと同じ系統に
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クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.0

ロッキー不在で、アドニスに振り切った、忘れたい過去と決着をつける話。

やはりロッキーがいないと寂しいというか、薄味になった気がする。
悪くはないんだけど。

18年も自己トレだけでいきなりヘビー級チ
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