たいよーさん

卒業式に、神谷詩子がいないのたいよーさんのレビュー・感想・評価

卒業式に、神谷詩子がいない(2022年製作のドラマ)
3.2
おい、Z世代向けのドラマなんだよな…と思う中身。だけど、5話通して青春の匂いが充満していて、なんか微笑ましかった。


日曜の昼にZ世代に向けたドラマを打つのも、なかなか挑戦的だと思うが、想像よりかなり本格派。劇中の動画はTVerに用意され、作品の世界観をさらに固めている。それを見れていないので何とも言えないが、そこまでしてドラマを追う若い人がいるかと言われると疑問。トライ・アンド・エラーと言ったところか。

ドラマに関して言うと、割と正統派の青春モノって感じ。タイトルほどミステリアスではなく、むしろコロナ禍を写し通した高校生の物語なのだ。文化祭の中止に炎上、仲間はずれなど…それではリサーチ不足に感じる。自分は可哀想だったよな、、くらいに思える世代だが、当事者だったらたぶん見ない。なぜ想起させるのか。そこは不思議。だが、この評価なのはなぜか。それは最後のパートで。

主演は茅島みずきさん。彼女は何歳にでもなれるルックスと演技の持ち主だと感じるのだが、本作は珍しく暗い役の高校生を演じた。莉子さんや奥平大兼さんといった若手ながら顔の知られたキャストで固めたのも魅力的。一段と青春の香りを上げており、そこは上手い。


それでもなぜこの評価なのか。それは、ドラマからテレビ界の焦りと挑戦を感じるからだ。上手いわけではないが、ここまで要素を含んだドラマはなかなか無い訳だ。つまるところ、昼にやるのも無理はない。実験に近いからだ。『アバランチ』のようなリアル体験ではないが、アプローチを評価したい。その上でもっと面白いドラマが観れるのを楽しみにしたい。
たいよーさん

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