音楽もCGも壮大で、ディズニーの世界観にガッツリ浸れて面白い作品だった。
「オリジナルとぜんぜん違う!」という声が目立っているけれど、「これはこれでいいかな」と思える。
特にミュージカルシーン。
自分の価値観だと、ディズニー作品の音楽には、オーケストラコンサートのような迫力がほしい。オリジナルは、制作された時代が時代だけに、やはりそこらへんが弱い。
今回の実写版では、登場する音楽すべてに迫力があり、スクリーンで観ていて高揚感が湧いてきた。特に「ハイホー」や「口笛ふいて働こう」は、鳥肌ものだった。
確かにオリジナルの白雪姫のストーリーからかけ離れてしまっている箇所に違和感もある。けれど、それらをカバーできるほど「現代技術の恩恵」で素晴らしいシーンもたくさんあった。
「オリジナルへの冒涜だ!」なんて、反射的に批判する前に、「ディズニーの非現実感、ファンタジー感を楽しむ」というスタンスで、一度観てほしい。
「ギブアンドテイク」という言葉があるけれど、今回の作品では、まさにこの言葉の意味を知れる。
「もらう人(テイク)」よりも「与える人(ギブ)」が成功するとよく言うけれど、まさにそのとおり。白雪姫は女王と違い、国のすべての人に幸せを「分け与える」ことを目指した。だからこそ、国民から愛されるプリンセスになれた。
もらってばかりではダメ。そのぶん誰かに「与える」。そして何かを与えられる人というのが本当の”魅力的“な人であるというのを肝に銘じて生きていきたい。そう思わせてくれる映画だった。