宇宙で米露疑似戦争なんて、真面目な政治映画にしたらシャレにならないし、かといってご都合主義も白けるし…うーん大丈夫かこれ?と色々危なっかしいけど、結局『2001年宇宙の旅』+『遊星からの物体X』といった感じ。とはいえ、ジャンル映画になりきれてないような勿体なさ。
舞台は宇宙ステーションのみ、登場人物は5人だけだが、とにかく無重力で狭い空間の視点移動が煩わしい。まあ無重力殺人ってのは珍しいけど、じっくりジワジワと不穏さが広がるような余白やタメがないし、画的な面白みもなかった。ドキュメンタリー出身ガブリエラ・カウパースウェイト監督には、もっとケレンみある演出が欲しいところ。
英語ロシア語バイリンガル、ロシア人キャスト含めみな均等な扱いで、アメリカ人同士、ロシア人同士でも信用できない…って、サスペンスを両国の立場より個人的な要因にしたことにはとりあえず納得。ロミオとジュリエットか!
そんな活躍する訳じゃなくてもアリアナ・デボーズにはさすが華がある。JGJはクセ者キャラ(髪切ってヒゲないと大抵ギーク役だ)なので良かったけど…またしてもそうなるよね!