チキンカツ芯太郎

新幹線大爆破のチキンカツ芯太郎のレビュー・感想・評価

新幹線大爆破(2025年製作の映画)
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75年の「新幹線大爆破」のリブート版という事だけど実質続編。

走行中の新幹線に時速100km以下になると爆発する爆弾を仕掛けたとの脅迫電話。
50年前より爆弾の解除料金は上がって1000億円!

オマージュが多くオリジナルに対する敬意が色々と感じられて嬉しい。

あれ?ジャグラスジャグラーの青柳尊哉が鉄道員にいた!
オリジナルの75年版でウルトラマンのハヤタ黒部進が出てたからか!
…いや黒部進は刑事。
シン・ウルトラマン斎藤工!
いや、斎藤工は宇津井健の役!
とか画面を観ながら色々浮かんだ。

それらを含めて演者は全員良かった。

50年前の作品である前作とは違い鉄道員に女性が多く見られるのは新鮮。
運転士の能年玲奈、アテンダントの大原優乃も活躍。
知らぬ間に消えてた元キングオブコメディ今野はもったいなかったな。

肝心の物語、前半部分は新幹線が走行中接触!分離!合体!と手に汗握る展開で楽しんだ。
しかし75年版と違って伏せられていた犯人の正体が中盤で明らかになると物語は途端にトーンダウン。

前作の犯人とは共有出来た社会に対する批判や怒りがスポッと抜け落ちて、無理矢理、75年版とリンクさせただけの動機が語られた。
そこにはオマージュはかけらも感じ取れず、物語には犯人が必要だから設定したというアリバイ工作のような無味乾燥な感じだけ。

75年版は犯行に至る犯人達の背景を描いた
パートが多く、そのせいで尺が長いのだけも、背景部分をカットした100分程度の短縮版が外国でヒットしそれが逆輸入で日本でも公開されたという。
それを指して「人間不在のサスペンスエンタテインメントになってしまった」という評文を読んだことがある。

この作品はまさしくそれ。
鉄道員たちの頑張りや行政側の無策ぶりは75年版と同じものを感じるけれど、犯人像がショボいし唐突。
ピエール瀧の無駄遣い。

他にも最初の学生連中やらムカつくガキの動画配信者とか無駄にクローズされる登場人物が多いのが気になるし、なんかやりそう感プンプンの要潤が、後半、すっかり置物になってたりら辺も気になった。


つまらない作品では無いし無茶な作戦とか俳優達とか充分楽しんだので色々と惜しい

オリジナルでやってくれたらと思ってたけどそもそも話の根幹が前作の続きだから無理か。

やっぱ色々惜しい‼︎
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