主人公はMCMAPの元インストラクター。MCMAPとは、アメリカ海兵隊によって開発されている徒手格闘とCQC技術を統合した近接格闘術、だそうで、その性質上実戦的でありつつ海兵隊員のレベルなら誰でも長期の修練を必要とせずに習得できるものを目指しており、そのせいかこの作品に描かれるアクションも武術的なケレン味はないがしかし確実に相手を制圧する、というものになっているのが、なんだかリアルに感じられた。
調べてみるとMCMAPは精神のコントロールも重視するらしいのだが、そのインストラクターである主人公テリーも中々にヒドい状況に陥ってダメージを受けつつ、それでも冷静に分析して為すべき方策を選び取っていく。その様が、役者アーロン･ピエールの青い目の黒人という風貌と相まって、カッコよかった。
アメリカの田舎町を仕切る警察組織の腐敗っぷりもなるほどこんなこともあるのかなあ、と思わせる説得力があったし、関わる者、巻き込まれていく者の心の動きもしっかり描かれていたと思う。
警官の一人が太腿に怪我をして失血していくところはなんで止血帯とか使わんのかな…と思ったけどなんか理由があったんかしらん。面白い作品でした。
