真鍋新一

夜の牝 花と蝶の真鍋新一のレビュー・感想・評価

夜の牝 花と蝶(1969年製作の映画)
3.0
野川由美子主演のシリーズものらしいが今風に言うと任侠ホステスというところだろうか。見やすく楽しく面白く、だがもちろんシリーズものとして再評価された形跡はない。

子分はなべおさみ。九州から銀座に移り、ひょんなことから銀座のナンバーワンを目指すことに。と、このあたりの流れは現在でも通用しそうな話。主人公は片瀬那奈に似ている。

当時売出し中の森進一が歌を歌い、クレジット上は主演格でセリフも割とたくさんある。序盤からすごそうな感じで登場する太田雅子とともに途中で話の筋から消えかけてしまうのが残念だが、全体的に調子の良い映画なのであまり気にならない。特に意味もなく出てきて場を賑やかす青島幸男の場面も含めてこの時代の雰囲気が楽しめる。場面に合った曲をタイミング良く出てきた森進一が歌ってくれれば歌謡映画としてはそれで充分合格。

それにしてもカメラマンの杉良太郎の部屋の壁にどかんと引き伸ばされている太田雅子のセミヌードがすごい。それだけでも観る価値がある。そしてその個性がただの脇役では不釣り合いなほどなのももはや明らかになっている。

相変わらず柳瀬志郎と木浦祐三がケチな悪役で、楠侑子がバーのママ。渡り鳥シリーズのスピンオフと言えなくもない(ないか)。
真鍋新一

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