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ママの彼氏はバンパイアのoommのレビュー・感想・評価

ママの彼氏はバンパイア(2000年製作の映画)
4.0
古き良きディズニーのほのぼの実写映画。
母から外出禁止令を出されてしまった姉弟がそれぞれデートやコンサートに出かけたいがために、バツイチ独身の母と、雑誌のデート相手募集欄で見つけた適当な相手をデートに行かせその間に外出するという作戦を思いつく。母を言いくるめてデートに向かわせるも、なんとその相手はバンパイアだったというあらすじ。

お母さんをバンパイアから助けるために伝説のヴァン・ヘルシングさんを呼ばなきゃってことになるんだけど、ふつうに電話交換手に名前を伝たらあっさり繋いでもらえるし、ヴァン・ヘルシング側は「はい、ヴァン・ヘルシングです。只今留守にしています」ってボイス留守電設定してるしで、なぜかヴァン・ヘルシング周りは膝から崩れ落ちそうなほどゆるくて愛らしい(留守電に要件と住所を残したら後でちゃんと来て助けてくれる)。

この映画はそんなゆるさも魅力なのだけど、それ以上にお母さんの描き方が素敵で良かった。
このお母さんは、シンママでまだ手の掛かる子どもが3人もいるなか、子育て&仕事して、家も自分もきちんとしてるし、直接描かれないけどおそらく毎日めちゃくちゃ頑張っている。しかも離婚した元夫は近いうちに再婚するらしく、その結婚式の知らせは子どもより後に知らされるし、なんか子どもは思ってたよりあっけらかんとしてるしで、、あなた頑張ってるよって温かいお茶でも入れてあげたくなる感じなのだ。
そんななか、医師をやってる素敵な男性(本当はバンパイア)とデートすることになってしまうのだが、「私は仕事して子育てしてってそういう人生なの、デートなんて…」って言ってめちゃくちゃ渋るの(泣)。デートの為にドレスアップしてすごく素敵なんだけど、私は母だからもうデートなんてしないのに…なんて思いながらもお化粧したのかなって思うとグッときた。

デートはすったもんだありバンパイアと闘ったり大騒ぎなんだけど、途中でお母さんが母になる前の自分を思い出すような出来事があって、最後に「今日は良い一日だった。あの頃の自分ともう一度出会えた」「(これからは)デートだってするわ」って言って終わるのだ。。
この1人の女性の気持ちの変化、素晴らしくないか??見ながら私の心のシットコムがOh〜😭🥹って言っていた。
こんな筋立ての子ども向け映画なら「お母さんをバンパイアから守る!」っていう子どもの正義や勇気がメインで、守られるお母さんは書き割りの絵みたいになりがちじゃないかと思うんだけど、全然ちがった。「お母さん」の面もあなただけど、あなたはそれだけじゃないんだってことを言ってくれているようで勝手に感動しちゃった。

そのほかにも、男同士のやりとりのなかで姉をモノみたいに扱ってしまい反省する弟とちゃんとぶちぎれる姉とか、出会い系で知らない人に連絡したらダメだよとか、短いなかにもいろいろな教えがあって子ども向け作品としても良いなと思った。立派だよ。
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