このレビューはネタバレを含みます
怒りのデスロードでも感じたけど世界観の作りこみがすごすぎる。
終末の世界である砂漠の地は無秩序で荒廃感があり、緑の地は本当にオアシスのような色彩をもつなど映像美がものすごく印象的。
そして、圧倒的なアクションの連続でとにかくワクワクする。前作よりもアクションの幅が広がりながらも、変わらない映像美と画面の構成が引き込まれる。
特に今作はカーアクションがてんこ盛りでパラグライダーや大型積荷車での攻防など見ごたえたっぷりのアクションシーンが多い。
ストーリーもフュリオサにフォーカスを当てたスピンオフ作品として、フュリオサが故郷から連れ去られたところから物語が始まり、生き延びながらも復讐や解放というテーマのもとに彼女がどうやって“自分の物語”を取り戻していくかを丁寧に描いている。
若き頃のフュリオサはアニャ・テイラー・ジョイに変更したけど、シャーリーズ・セロンに負けないくらいの存在感。フュリオサの復讐の話なのでアニャ・テイラー・ジョイの眼力の強さが復讐への執念を強く表現していた。過酷な荒野を生き抜いていく中で、怒りや悲しみを内に秘めながらも冷静さと知略をつけていく立体的なキャラクターとして印象に残る。
また、フュリオサが唯一心を許したジャックは良すぎた。
まだ未熟なフュリオサを導き、成長をうながす師匠的な立ち位置で、フュリオサとのバディは単なる相棒ではなく、彼女に影響を与える存在。
ぶつかり合いながらも信頼を深めていく関係が、物語に厚みを持たせている。
そして、この映画で中心的なディメンタス将軍がものすごく魅力的。
突発的な行動で、その場にいる人たちをめちゃくちゃにしてしまう狂気と権力にまみれた人物で、肝っ玉の小さい小物っぽさもあってどこか憎めない感じもあるけど、ちゃんと悪人としての芯はブレてない。
見た目は完全にソーだから、「こんなソーは嫌だ」を体現したみたいな悪役に見えた。
終わりも希望の種を悪役に突き刺すってなかなかの展開だったが、女性でとらわれた身分ながらもフュリオサの執念や木が芽吹いたようにその果実の種から次の希望に繋いでいくようなやってることはえぐいがきれいな終わり方って感じですきだな~
スピンオフや続編などこれからもこの世界の映画は続いてほしい。