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宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-のテロメアのレビュー・感想・評価

宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-(2009年製作の映画)
4.8
宮本武蔵について、今までで一番腑に落ちる解釈でした。生まれる時代を違えてしまったゆえの、徹底した合理主義者が抱えた唯一の非合理な信念。しかも、それを明治政府によりさらに湾曲され、今に至るまでに実像より虚像の方が有名になってしまった人物か、なるほどねえ。

まあ、押井守による「虚像」をテーマにしているので、歴史の事実はどこまでが史実かのかどうかは私には分かりませんが、一般的に知られている宮本武蔵のイメージの矛盾が解消されて、なんだかスッキリいたしました。

ただ、ドキュメント番組みたいなものなので、これは映画として楽しめるものではなく、そうした歴史上の人物の解説番組として楽しむなら面白い。が、アニメ映画だと思うと痛い目に遭います。ただ、こうした解説番組としてなら、こういうのがたくさんあれば楽しいだろうなぁ、とは思いますね。

が、この解釈での宮本武蔵としての映画を一本として見たかったですねえ。解説のところよりはるかに短いアニメパートが本編としてあり、この解説版が特典映像としてあるなら最高なんですが、みなが期待するような本編はありません。残念だ。

合戦の将としての信念を持ち、しかし、合戦がなくなった時代を生きた一人の男の物語。一本の映画で観たいですねえ。
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