テロメア

重装警察のテロメアのネタバレレビュー・内容・結末

重装警察(2001年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

面白そうであり、実際面白く観れていくのに、あれ、やっぱり違うな感に最後まで追っかけられる感じ。

何より、友情のために、と言いながら失うものが多すぎるって。五人の友情で一人の足を助ける。んで、動いた四人中三人死亡、一人は逮捕って。それにこれさ、全員生存していてもだ、友情を失うだろうに。まず、このシナリオ的欠点が制作年数関係なくデカすぎてなぁ。

最初に言っていた警察官をクビになった上に潜入捜査官として裏切っていたとされた不名誉なもので、さらに下半身付随のままで手術は高額過ぎて受けられない。てのは、映画的には警察官としての名誉回復のために動き、マフィアを一掃した。とかならわかるが(最初はそうなるのかと思いきや)、そのことは忘れて自らも警察官を辞める彼ら。んで、マフィアから金を強奪。手術費用にしようぜ。って、おい。

とっ散らかった行き当たりばったりのシナリオで(昔の香港映画は脚本なしに撮られて上手いこと繋げるとか、どっかで聞いたことあるけど、これはそうして作られたてんなら、納得な感じなとっ散らかりさよ)、トラウマ抱えた泳げない特殊部隊員が海で溺れ、謎のサーファーに助けられたり、同隊員が実は憧れていた先輩が警官辞めてマフィアに強盗団してるとか、あれやこれやが散らばり過ぎて、ドラマシリーズの下手な総集編かと思ったレベル。なお、トラウマは解消される描写なし。

それに普通なら、映画的に不名誉なクビになったなら、それを解決するためにマフィアぶっ壊して、ついでにマフィアの金をちょろまかし、最後に逮捕されるかと思ったら、憧れているという後輩くんが上手いこと報告して、これも全部潜入捜査だったのです。とかして、足は手術できるわ、全員それなりに生きているわ、逮捕されないわで、映画的ハッピーエンド! で、よかったのでは? と思う。特にこの時代の映画ならなおさら。

だけど、こんなにとっ散らかっているのに、アクションシーンはなかなかにいいし、テンポもいい。シナリオはとっ散らかっているが、頑張って脳内で勝手に補完できないこともない。アクション映画のダメなやつをたくさん観ている者としては、とっ散らかっていてもそれなりに整合性があるような感じなら、まあいいか、と思ってしまう残念な脳筋映画脳なので、最終的にはまぁーいいかぁー。とか思ったり思わなかったり。

ただ、名誉は回復しない上に友情は犠牲になるわと、得るものより失うものが多かったのに、なぜお前は満足げなんだよ、という元警察官で強盗団トップのラストシーンの満足げな顔は、ミステリーの猟奇殺人鬼レベルにサイコ野郎だったので、アクション映画として大幅に減点。反省しろ、と。

人には勧められる映画ではないが、個人的にはシナリオが酷い以外は、アクション映画としてまあまあ良かった、とは思う。全部、ラストシーンの満足げなあの顔に持っていかれてしまったが。
テロメア

テロメア