トケグチアワユキ

もっと超越した所へ。のトケグチアワユキのレビュー・感想・評価

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)
5.0
ネタバレ心配御無用。安心して読んでいいよ。


根本宗子の舞台を観つづけてきたが、まさかこんなエピローグが待っているとは想像していなかった。
え? 舞台の終わり違ったよね? それとも私が忘れてる?



タイトルにはそんな意味があった(私がわかってなかった)のか、映画化で改めてそういう意味にしたのか。


まあ、とにかくクズ男しか出てこないねもしゅーの芝居が大好きで、舞台ではこの作品より前の、「今、出来る、精一杯」で幕が下りても立ち上がれないほど滂沱だった者からすると、もちろんこの作品も好きだけど、いや映画館から出た時どんな気持ちなんだろうと、世の中に存在してて申し訳ございません的な、どれだけ背中丸めてもぜんぜん足りてねー的な、ズタズタな気分で帰ることを覚悟して生まれて初めて映画の公開初日鑑賞に臨んだわけだけど、まさかこんな晴れやかな気分とはねぇ。
いやぁ、ねもしゅースゴっ!!
エピローグで完全にホレ直した。愛してる。
腑にパチンコ玉みたいな細かくて重い(んですよ、すごく。知らないかもですけど。昔は入り浸ってたクズなんで)粒々がザザザザァァァと落ちまくり。
こういう書き方するとフェミの方々からまだ懲りてねぇのかバカって言われることは承知の上で、そんなぁ、あの時そんなこと念じてたのかよ的な。

いやもう、あと3年経った時のこと想像したら、おんなじこと繰り返してるんだろうけど、でもまあ、あの《念》を知れただけでやっぱ同居サイコーってね。


美術/装飾/衣装が素晴らしい。
初っ端から素晴らしいけど、エピローグでさらに素晴らしいことに。
そこもリアルを超越するのか!!ってカタルシスに震えながら、aikoの曲でもう一回ナミダするっていう。

山岸聖太についてぜんぜん触れてないけど、4組のカップルのコントラストの付け方、時系列の整理など完璧。
わかりづらさ、ややこしさ、一切なし。

そして俳優陣の演技にストレス感じること一切なし。
菊池風磨のヌルっと入っちゃう感、千葉雄大のもうソフィスティケイトされてると言ってもいい圧倒的あざとかわい感。
伊藤万理華は映像の中でマジ生きてるし、オカモトレイジは恐ろしいほどのネジゆるゆるを完璧に演じてる。

近藤多聞さん、これを映画化してくれてホントありがとう。
まだまだ何回も観られます。


わかんないことあったら訊いて来い!!
何でも答えてやるぜ。


ここからは観る前に読まない方がいいかも
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追記 2022.10.15.

舞台の記憶が少しずつもどってきた。
壁がなくなるところはあった気がする。
4人は声を揃えた。
やり直しを生きる決断をしたかどうかが思い出せない。