シリーズは初代のみ十数年前に鑑賞。
未見でもとくに問題ない作りになっている。
プリクエルものはどうしても辻褄合わせで無理がでがちだが、なかなかどうして物語はツイストが効いていて面白くみた。
また、1作目に接続させるだけでなく、「あわよくばこの流れで続編を！」という図々しさダダ漏れの幕引きもジャンル映画としては好ましい。
ただ問題なのは、肝心要の“死に様描写”にフレッシュなものを見出せなかったことだ。
冒頭、1作目の語り草になっている教会からの落下物&ガラス惨劇を引用しつつひっくり返すのはわかるが、スローの使い方が冗長でいきなり掴みそこねてしまっている。
２回ある交通事故も凡百のアクション映画で散々観たクリシェでしかないので(２回目は誰が死んだのかすら見せない)、オーメンに期待される勘所を押さえられていない。
どちらかというと、作り手が好きなのは、アメリカからイタリアにやってきた主人公という設定といい、××からの首吊り！というくどい描写といい『サスペリア』の方なのではないか。
