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すべて、至るところにある(2023年製作の映画)
5.0
リム・カーウァイ作品はこれで鑑賞5本目だけど、バルカン半島トリロジーの前2作は未鑑賞。それでもほとんど問題はなかった。

超低予算映画であり、時制も場所も錯綜する冒頭は面食らうかもしれないが、その身軽さと即興性でしか生まれ得ない生々しさと非日常が同居する独自の異国世界へ心地よく誘われた。

主人公の映画監督は誰の目にも明らかにリム監督自身を想起させ、その顛末には今作での引退も示唆する監督の映画制作への諦念らしきものも感じ取ってしまったが、タランティーノよろしく劇映画10本目できりよく引退なんてカッコいいこと言わずに、泥臭くこれからも我が道を往く映画を撮りつづけてください!!

上映しているイメージフォーラムでは、連日トークショーが組まれ、告知のない回でもリム監督のサービス精神で質疑応答が。
お世辞にも盛況とは言えないが、感度の高い観客が揃っているのか、的を射た質問つづきで充実した時間だった。
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