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狼たちの午後のyokoのレビュー・感想・評価

狼たちの午後(1975年製作の映画)
3.9
昔観たときはハードボイルドだと思っていたが今観ると大分イメージが変わる。最初がエルトンジョンだし、今思うと。

だいたい銀行強盗ものは最初上手くいっていたが、思わぬ事態から急変!がテンプレだけどこれはそうじゃない。最初からダメだ笑

狼と犬じゃイメージがだいぶ違うがハードボイルドなイメージを初手から崩してくる。3人組強盗、ソニーとサルに挟まれた町の野球小僧みたいなのが日和る、しかも普通に家に帰す。強そうな守衛は勝手に全速で退場。フラグをはずしてくる。

シュールなサルの呟き芸
「飛行機はじめてなんだけと」
「おれはゲイじゃないんだけど」
それ今いる?笑
「健康のためタバコは吸わない」
これも笑える。昔はクールなヤバいやつと思っていたが全然違う。

FBIはかなり最初からサルを殺してソニーをいかす。という絵図を書いていたみたいだが、史実通りだがいまいち根拠が弱い。サルは不安定だが、それは私たちは全体が見える、名優ジョンカザールが演じてる。だからメタでそういう推測ができるけど外側だけで見たらソニーでしょう。

水色の服を着たリーダー格の女性がかなりよい。ストックホルムというより最初からおばはんゆえの無敵さをまとい、ちみたちなんやねん感、世話焼き感をだしてくる。彼女の明るさが銀行内だけでなく作品内の観やすいトーンを作り出している。
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