yoko

ウェンディ&ルーシーのyokoのレビュー・感想・評価

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)
4.1
たぶんケリーライカートのなかで1番物語的に観やすい。

ケリー作品を全部を見たわけではないがおそらく今作が1番わかりやすく何かが起きる。景色も変わる、犬はどうなるという緊張感も持続する。小僧のようなミシェルウィリアムズも良い。

だいたい犬と少女というとピュアさや偽善性がチラつく映画が多いと思うがそうでないのが良い。まず最初に感じた違和感は最初の時点で犬が可愛くなく、ミシェルウィリアムズ同様愛嬌が無い感じ。そして犬も楽しそうではない。リードが犬の顔にペロンと乗っかるシーンがあるのだが主人公も気にして無い感じ。犬好きならリードすぐ顔から避けない?てかそもそも放置せんやろ。てかもともとお前の犬か?最後の「犬お前満更でもなさそう」感との対比にもなってる。毛並みも序盤より良く見える。

そもそもアラスカに行ったところで職あんのか?っていう。犬、車が解決してたとて寸詰まりのある感じ。

凡人なら「私たちお金はないけど、大切なものが何かは知っている」みたいに普通は逃げるじゃない?そうしないのが監督のまっとうさでしょう。

生きるためのサバイヴ!とも違うのよな。残念な人生を割り切らず、開き直らず、諦めずただ漂う感じ。

1番優しかった警備員のおじさんが残念そうな女連れてるのもツボ。
yoko

yoko