やっぱりカルカン

築地魚河岸三代目のやっぱりカルカンのネタバレレビュー・内容・結末

築地魚河岸三代目(2008年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

TOKYO MX2「築地魚河岸三代目」
2023年10月22日(日) 放送 19:00~20:37
の録画を視聴。原作漫画は未読。
知識としてはインターネットミームになっている包丁の一コマをはじめ有名ないくつかのコマは見たことがあり、主人公が築地魚河岸仲卸の三代目(タイトル通りww)で切磋琢磨していく成長物語ぐらいの情報しか知らない。
この映画は原作漫画について、何の知識もなくても楽しめるのでその点は問題なし。むしろ調べて驚愕したのだが「人間関係や設定は原作と異なる」とのこと。嘘だろ…
見ててなんか違和感あったのはそういうことか。原作ファンがこの映画を見たらどう思うんだろう。

豪華俳優陣!築地市場がロケに全面協力!音楽もクセになるいい曲。2008年6月7日の公開で、元々シリーズ化することが発表されていたらしい。2009年に2作目が公開される予定だったが、不況の煽りもあって2010年に公開が延期されることが発表され、2010年に入るとさらに2011年に延期が決定した。その後も2作目の製作は実現していない。
もしまた続編の作成が実現したとしても
・舞台である築地市場が無くなってしまった
・豪華キャスト全員の再集結が難しそう
・第1作が良かったので、それを超える作品を創らなければならない
・第1作のラストがいい感じにまとまってしまったので次をどう繋げたらいいか微妙
などの問題がたくさんある。
今後の続編は…難しいだろうな…

元々は1時間56分の上映時間、テレビ放送が1時間37分の放送枠。そのうち40分は起承転結の「起」だったような気がする。主人公はいつ三代目になるんだ…いつまで続くんだ…いくらなんでも「起」が長すぎじゃないか…正直そう思った。続編を作るつもりだったので、最初はそれで良かったのかもしれない。
ギャグっぽい演出や野暮ったいセリフ、冗長なシーン、微妙な矛盾やツッコミどころもあり、画質も相まって映画というよりちょっと面白い2時間ドラマを見たような感じ。
人情ドラマみたいな所があって、最後はうるっときてしまった。ベタな展開が好きな人はまあ楽しめると思うが、原作ファンをはじめ「なんじゃこりゃ」と思う人もいるだろう。

まさかのタイトル回収はラストで。この映画は築地魚河岸三代目が織りなす人情物語…ではなく、大沢たかおが最後に築地魚河岸三代目になって終わり。主人公は大沢たかおなんだけど、後半はほとんど英二と千秋(と明日香)の物語なので主人公はサポート役みたいな感じに。

それにしても英二と千秋はお互い好きだったのに、あんな大事な話を黙ってて誤解されたまま離れてしまうなんて、まどろっこしいなぁ。江戸っ子職人は口下手と言っても限度があるでしょう。大人の恋愛ってわからない。
主人公も行動が突飛なフシがあるし、各キャラそれぞれにツッコミどころが…
なんやかんや言いつつ、結構嫌いじゃないわたし。もし続編があるとしたらそれはそれで見てみたい。「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」みたいな人情映画シリーズにしたかったんだろうなあ。