やっぱりカルカン

SING/シングのやっぱりカルカンのネタバレレビュー・内容・結末

SING/シング(2016年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

金曜ロードショー
2024.2.23 よる9時〜10時54分放送
SING/シング
2016年制作 を視聴。これが2回目の視聴だったのになぜか前回の記録をFilmarksに書いてなかった。うっかり。

この映画結構好きで、たまに2回目見たらあれ?あんまり?ってこともあるけどこれは改めて好きだなぁと思える作品だった。
自分は歌うことも歌を聴くことも好きだし、音楽には人生を変えるパワーがあると思っているのでこの映画のメッセージが特に刺さったのだと思う。
オリジナル曲は少なく、有名な曲がたくさん使われているので音楽好きは間違いなく楽しめるはず。

最初に流れる曲はJennifer HudsonのGolden Slumbers/Carry That Weight。ビートルズ「ゴールデンスランバー」のカバーなんだけど、これが要所要所で効果的に使われるのでぜひ覚えておいて欲しい。
https://youtu.be/AcQjM7gV6mI
この曲はビートルズの最後(から2番目)のアルバムに入ってる曲で、解散に向かって進んでいくビートルズの儚さ・悲しさも感じつつ、ポールの時に優しく時にパワフルな歌声と温かいメロディが沁みる名曲となっている。冒頭部分の歌詞和訳は以下の通り。

昔、そこには道があった
故郷へ帰る道が
昔、そこには道があった
自分の家に帰る道が続いていたんだ
おやすみ、かわいい子、泣かないで
僕が子守唄を歌ってあげるから

ムーンにとって帰る道・自分の家とはもちろん自慢の劇場なんだけど、解散目前のビートルズの状況と、この曲と、ムーン(劇場)の状態が絶妙にマッチして今思い出しても泣けてくるという…

1曲目からゴチャゴチャ語ってしまったけど、他に使われている曲はざっくりこちらが詳しい。
https://studentwalker.com/moviemusic-sing
ここに書いてない曲も、映画「Once Upon A Time In America」のサウンドトラックからChildhood Memoriesなど、特徴的な音楽がたくさん。
https://youtu.be/Z2jRu-EC5S8
知らない曲でも知ってる曲でも、音楽好きなら楽しめること間違いなしだろう。

好きな人には申し訳ないが、私は今までMISIAさんのことを「なんかめっちゃ歌が上手い人」ぐらいにしか思ってなかった。でも、最後にミーナ役のMISIAがStevie WonderのDon't You Worry 'Bout A Thingを歌った時、感動して泣いた。野外ステージで歌ってて、背景に置いてあった月のセットが壊れて夜空に浮かぶ本物の月に変わる所なんかとても良かった。
最後の最後まで歌えなかったミーナの本気の歌唱。みんなで作り上げたステージが成功するのをムーンと「月」が見届け、祝福する…涙なしには見れないシーンだった。

キャラクターそれぞれに生活があって、主人公のムーンも含めバランスよく全員の暮らしと夢に賭ける思いが見えてくるのもいい。これだけキャラクターが大勢いたら、一人くらいは「こいつ邪魔だな」と思うやつがいるもんだけど、SINGはそこのバランスがちょうど良かったと思う。
私が一番好きなのは子だくさん主婦のロジータが家事を自動化しても家族はロジータが居なくなったことに気付かず、あるきっかけでピタゴラ装置がバグってやっとロジータがいないことに気付くくだり。
オーディションの合格者の決め方だけ横暴というか投げやりというか、そんな決め方でいいのか?と思ったけど、ムーンの声が内村さんなので何でも許せてしまう(いい人感が滲み出てる)し、結果的にショーが成功したので人選は完璧だったってことで(笑)

ちなみに、ナナの声は大地真央さん。自分が好きなドラマ「正直不動産」シリーズでも主人公が頭下げてお金出してもらう富豪マダムの役なので笑っちゃった。
そういえばプロミスのCMにも出てるし、お金借りるなら大地真央ってことか(違う)

この映画は良く言えば王道、悪く言えばよくあるストーリー・ベタな展開なのだが、やはり音楽が好きで「歌のパワー」みたいなものを信じるかどうかで刺さるか刺さらないかが決まってくると思う。
ハッピーエンドで、見終わったらちょっと元気になれる。これから何回放送されても、テレビでやってたら繰り返し見たいと思える映画。