やっぱりカルカン

映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)のやっぱりカルカンのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

テレビ朝日 2024/03/02
18:56〜20:54 地上波初放送
「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」

3月1日からスタートした最新作「映画ドラえもん のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)」の公開を記念しての放送。この映画は2023年3月3日公開なので、わずか1年での地上波初放送となる。
ドラえもん(のフォーマット)が好きで、単純に映画作品としての評価ができないため点数は割愛。

・作品のテーマ
本作のヴィランは人間を操って誰もが賢く優しく犯罪のない平和な世界を作ろうとしているが、代わりに人々は個性や心を無くしてしまう。はたしてそれは本当に「理想郷」(ユートピア)と呼べるのか?

・みんなちがって、みんないい
この映画のテーマと同じ主旨で金子みすゞの有名な詩に「みんなちがって、みんないい」というものがある。個人的にはそんなのは綺麗事で、例えば犯罪被害者の立場になっても「加害者がこうなってしまったのも犯人の人生だし個性だから」と笑って許すなんて100%ありえないし、犯人を呪い殺してもまだ足りないぐらい、末代まで怨み続けると思う。
なのでドラえもんやのび太の主張に共感しかねる部分はあるが、昔からドラえもんが好きなので劇場版お決まりのよくある流れでタオル1枚ビショビショになるぐらい泣いた。
正直な感想はご都合主義・綺麗事・甘い!
でも子供に教えるにはこれが正論って事になるんでしょうな。実際Twitterを見てると「道徳の授業でこの映画を見た」とか「学校で先生がこの映画を例に出して授業してた」というポストを見かけた。ぬるい。
まあ子供達も社会に出て何十年と経てば「そんなもんぬるいわ!!」と思うはずだけどな。
余談だけど自分より仕事できないのに自分より高い給料貰ってるやつとか考えるだけでイラつくからもう基本的に考えないようにしてるしな。

・のび太が嫌いな人も居る
これも最近Twitterで話題になってた件で「みんなのび太イラつかんの?」「わたしのび太が嫌いでドラえもん見るのやめた」「めっちゃ分かる」「俺もそう」みたいなポストがバズってた。
自分はアホなんで何も考えずに「ドラえもん面白いな〜」と思ってたけど、そのポストを見てると「のび太は人として終わってる」「酷すぎて笑えない」らしい。「ドラえもんが甘やかすから」とか「射撃・あやとり・昼寝、正義感・思いやりなど良い面を差し引いても悪い面が余裕で勝ってる」と。
どんな人がポストしてるのか分からないけど、一定数そんな人も居るんだな、というのと、なんとなくどんどんそんな世の中になっていくのかな…と思った。
実際大人になったのび太の仕事(人生)はそりゃひどいもんだった。ドラえもんが来て、しずかちゃんと結婚したルートが唯一まとも。
少子化も加速しているし、のび太みたいな子はどんどん叩かれる世の中になっていくのかな。そうなったら悲しいなぁ。
これはちょうど1日か2日ほど前にバズってた話題なんだけど、この映画が伝えたいメッセージと真逆なんよね…

ソーニャの声は北村匠海さんかな?と思ったら永瀬廉さんでした。中々良かった。
賞金稼ぎマリンバの声は進撃の巨人アルミンでお馴染みの井上麻里奈さん。
わさドラになってからの劇場版は、ここぞというシーンで超絶怒涛の神作画が何カットかあるけどそれがこれ見よがしで「ほら!今!ここ一番良いシーンだから!!見て!!」「かわいいでしょ、感動するでしょ!」みたいな感じがして私は気持ち悪い。

何回も言うけどドラえもん(のフォーマット)が好きなだけでオタとか大ファンとかではないです。この映画はもう分かったのでもしまた次テレビで放送されても多分見ません。