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ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画のyokoのレビュー・感想・評価

3.7
ケリーのなかで1番評価が低いのは1番今作がメジャー感があり、しかも内容は別にメジャー感がないので、シネフィルからもエンタメ映画を期待した層からも総スカンを食っているからだろう。

「ダム爆破計画!」蓮實やケリーが聞いたら発狂しそうな邦題だがこれでいいのかwなんか「ミニミニ大作戦」とかそんなノリやと思うやん。

肝心のダム爆破や、警察とのすったもんだはない。しかしそれはケリー作品を観てきた人なら想像つくと思う。なので犯罪ものとしてのスリリングさはない。

普通の子がこんなはずじゃなかったと転がり落ちていくというより、ジェシーはスタートからダウナーでなるべくしてなっている気がする。

リバーオブグラスと同じで本物になりたいほうが日和った方を殺害する。男女が逆。ディーナが先進的な振りをして根本的に呑気なお嬢のサヨクごっこである。最期あのタイミングでシャワー、サウナ?本当に呑気である。

冒頭の環境映像作家に「怖い気にさせるだけ」「大きなことをすればいいの?」と揶揄するディーナや観客に、「たった一つの大きなことではなく小さな計画に焦点をあてる」とその監督は答えるがおそらくケリーの分身だろう。男や保守的なものだけでなく環境活動化ごっこの若者達も揶揄する冷静さは素晴らしい。

最後声をかける店員は絶妙な匙加減でディーナに似せてると思う。めちゃくちゃ似てるわけではないが、パッと見た瞬間の印象。ダコタよりエルファニングにも見える。似てるので主人公はまた事件を思い出す。

ベストはハイキングおじさんガン無視のシーン。
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