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草叢/不倫団地 かなしいイロやねんのshabadabaのレビュー・感想・評価

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映画冒頭、速水今日子と吉岡睦雄が2人で並んで歩く場面、一瞬、繋がっている2人の手のクローズアップがインサートされ、このカット繋ぎが後半の速水と伊藤猛の濡れ場で反復されるとき、画面内に映画性が横溢して、なんとも言えない感慨が押し寄せてくる。ブレッソンの『白夜』を想起させるが、あそこまで流麗ではなく、どことなく歪で、だけれどどこか愛おしくて泣けてくる。1時間ちょっとの尺にも関わらず、情動としか呼び用のないなにかが充満する簡素なショットに満ち満ちていて、天才としか言いようがない。
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