やっぱりカルカン

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッションのやっぱりカルカンのレビュー・感想・評価

4.1
※自分が見たのは【デラックス吹替版】です。以下の感想も【デラックス吹替版】の感想となっておりますのでご注意ください。字幕版は一部のセリフ、音楽、BGMなどが日本のファン向けに改変されておらず感想文の内容と合致しない可能性があります。

私は基本的にテレビで無料で見れる映画しか見ない派なんだけど、これだけは見に行かないと(テレビで放送されない可能性が高いし)って事で劇場に足を運んで見た数少ない映画のひとつ。
今回はゴールデンカムイ、セクシー田中さんの流れがありネットで「実写化して成功した漫画原作」「実写映画が漫画原作を超えることなんてあんのか?」的な話題でこのフランス版シティーハンターがバズって「おすすめだから見て欲しいけどアマプラ会員特典での配信がもう終わっちゃうよ!」とのことだったので駆け込み視聴。4年経っても2回目でもやっぱり面白かったし同じとこで泣いた!!原作→アニメ→新宿プライベートアイズと見てきたファンなので感無量…!

ちょ〜っと下ネタは多めだけど「これこれ!こういう実写版が見たかったんだよ!!」って感じ。徹頭徹尾、原作愛がすごい。
でも人によってはずっと下ネタばっかりに感じるかもしれない。ネットで時々批判されてるのを見かける。北条先生も「これは日本の女性は無理かも」みたいな助言をしたらしいけど、これより濃いめの下ネタってどんな脚本だったんだとツッコミたくなるほど。
アニメのこだま監督も、北条先生も、緩急が大事だって言ってたからな…シリアスやカッコいい中に時々エッチなシーンやギャグがあるからいいんだって。
まあ思うところはあるけどやや下ネタがしつこい以外文句の付け所なし!
「その手があったか」と北条先生が唸ったという「冴羽獠最大のピンチ」とは何なのか?見てないファンはすぐ見るべし。アニメで使われていた楽曲・BGM・SEも随所で使用されており、テンション上がる事間違いなし!

そもそも監督・脚本兼主演のフィリップは小学生の頃から『シティーハンター』の大ファンであり、権利元である北条先生の事務所に実写版の企画書・プロットを直筆の手紙と共に送ったところ、それが気に入られたことから、今度は18か月をかけて書いた脚本を携えて来日し、映画化を快諾されたらしい。北条先生のとこには他に実写化の話も何回か来てたらしいけど、断ってたようなことを仰ってたので本当にこの脚本が気に入ったんだろうな。

今回の依頼は「特殊な香水を取り返す」ことなんだけど、その"香"水とパートナーの"香"(かおり)がダブルミーニングになっててもう最高。 タイトルの史上最"香"ってのもそういうことですな。
さらに獠(フィリップ・ラショー)と香(エロディ・フォンタン)役の俳優さんは実際に夫婦だと聞いてなおさら最高!こんなエモい話ありますか!ときめく〜!!

始まった瞬間は「おお…外国人〜」って思うけど、2-3分経つとすぐ獠!香!海坊主!ってなるのでご安心を。原作の漫画もアニメも写実的な(劇画?)タッチなので、本来このような実写化はピッタリなはずなんだよね。
※ジャッキー・チェンや上川隆也を責めてる訳ではありません。過去の実写版にはそれぞれ良さはあったと思います

海坊主・冴子・槇村は出てくるけどストーリー上主要なキャラクターは獠と香とあと2人しか出てこず、あとはサブキャラ。シンプルでストーリーも分かりやすいのが実によい。シティーハンターに必要なものでどれを入れて話をどう展開して、この映画に要らないものをうまく排除したバランスが見事だと思った。この映画で登場人物がいっぱいのゴチャゴチャしたストーリーとか見たくないもん。

だいたい1時間30分ぐらいで見やすい長さ(93分)、テンポもいいし隠し要素もあるので何回見ても楽しめる。好きを詰め込んだ映画って長くなりがちだけど、本当に上手くまとめたと思う。
吹き替え情報はWikipediaよりこちらの方が詳しいですよ。海坊主・冴子・槇村はオリジナルキャスト!
https://www.fukikaekingdom.com/post-12801/
ゲスト声優とオリジナル主役のお2人は以下の配役。
歯科医女/新婦/未亡人/修道女 ガンバレルーヤよしこ
機内少年 やしろ優
ファン少年 アレクサンダー
モッコリー氏・精神科医 神谷明
スキッピーの妻 伊倉一恵

フィリップ監督、こんな素晴らしい実写映画を作ってくれてありがとう!日本のファンから、海を越えた出逢いに感謝🇫🇷🇯🇵