ヒムロ

ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男のヒムロのレビュー・感想・評価

3.3
かつてヒトラーを暗殺し、影の歴史で伝説となっている兵士、カルヴィン。
年老いた彼は今は犬と二人で静かに暮らしている。
そんな彼の元にFBIの捜査員が訪れ、任務を依頼してくる。
それはカナダを半壊させている伝染病の根源でもあるビックフットの暗殺だった。


とんでもないタイトル一本釣りの映画で見ざるを得ないと思った。
まさに声に出して読みたい日本語。
クソ邦題案件かと思ったら原題は「THE MAN WHO KILLED HITLER AND THEN THE BIGFOOT」。
めちゃくちゃ忠実なタイトルじゃないかたまげたなぁ…。

今は静かに暮らすカルヴィンの生活と、ヒトラーを暗殺したトラウマの夢とを交互に写していく前半。
若い頃に任務のために捨てた恋など色々とエピソードは出てくるがやはり見どころは暗殺シーンだろう。
衣服に紛れさせたペンやスキットルなどを組み合わせて銃を作るシーンは最高。
ここだけでも見る価値があるぐらいかっこいいシーン。

そして中盤にFBIが来てビックフット狩りが開始。
まさかの後半半分にしかビックフットが出てこないのかとガッカリした刹那、暗転直後にいきなりビックフットをヘッドショットするカルヴィン。
とんでもないスピードでタイトル回収したかと思ったら全然生きてるビックフット。
楽しませてくれる。

このビックフットを逃さないために円形に火の壁を作って隔離しているとかいう最高に派手な設定も良い。
というか既にタイトルで「殺した」と過去完了で書かれてる戦いをどういう気持ちで見守ればいいのか。

死にかけているビックフットと再び対対峙したカルヴィンは自分に重ねてか優しい対応をするのだが、それを裏切るように急に元気いっぱいになって殴りかかってくるビックフット。
ここの格闘シーンも最高。
相手のナイフを突き出して来た腕を取って180度投げながら肘を逆関節にチョップで折るとかいう、野生では身につかないような軍隊顔負けの格闘術をかましてくるビックフット。
背骨のラインはまるでジッパーが付いてそうな毛の生え方をしている。
というか野生で1匹で暮らしている類人猿の癖に人間の腕を掴んでもダメージを与えられないとか握力が弱すぎる。

まぁ色々言ったがビックフットが何だとか病気がどうだとか詳しいことは何も語られずにハイテンポで駆け抜けていく。

ビックフットと格闘する名優サム・エリオットを観れるのは「ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男」だけ!
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