ヒムロ

ヴァチカンのエクソシストのヒムロのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
4.5
悪魔憑きではない依頼は暗示の力で妄想を払い、精神科医に引き渡す。
先進的な悪魔祓いを行なっていたガブリエーレ神父は教会に無許可の悪魔祓いをしたとして糾弾を受ける。
教会にも医学が浸透し、悪魔の存在を信じない者が現れつつある時代、ガブリエーレはローマ教皇から直々の依頼を受ける。
悪魔に取り憑かれ少年ヘンリーとその家族を救うため、ガブリエーレはスペインへと向かう。
悪魔祓いの98%はただの精神疾患、残りの2%は…。



エクソシスト系の映画というと、バトル的な要素の入ったホラー映画というイメージだが、本作はどちらかといえばエンタメ的に振り切ったような印象を受ける。
確かに悪魔は登場人物達を怖がらせてはいるが、視聴者を怖がらせようという感じは受けない。
エクソシスト物としてのバトルの質を高めている要因は3つ。
敵の強大で不条理な強さ。
しっかりとした背景のストーリー。
更に「型破りに見られるが実力のあるベテランと頼りないが成長途中の若者」という王道のバディスタイル。
これらが合わさってド級のエンタメとしてのエクソシスト映画が出来上がっている。

「ホラーが苦手だから話題で気になってるけど見れない」という人には安心して欲しい。
ホラー映画のツラを被ったバトル映画だ。

悪魔の攻撃手段も多種多様で面白い。
物理攻撃だけでなく幻覚を使った演出が美しい。
異常さと共にある種の畏敬を感じてしまうような幻覚の数々は映像美としての見応えを感じる。
僕のお気に入りはシンプルだがストールによる首吊り。

あと吹き替えで見た身にとってはラッセル・クロウ演じるガブリエーレ神父の声が楠大典さんなのがピッタリすぎて最高。
この配役は神がかかっている。
ヒムロ

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