やっぱりカルカン

余命10年のやっぱりカルカンのネタバレレビュー・内容・結末

余命10年(2022年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

金曜ロードショー
2023.10.20 よる9時〜11時14分放送
2022年制作 地上波初放送 20分拡大

本が売れてることは知ってたので楽しみにしていましたが、ガッカリです。見ててイライラしました。私には合わなかった。好きな人ほんとにごめんなさい。もしまた放送されてても多分二度と見ません

タイトルだけ見て10年って長くね?と思ったんですが、原作者の小坂流加さんが同じ難病の「原発性肺高血圧症」で大学卒業後に発症、38歳で逝去されているんですね。この病気はこういうものだそうで、作者さんもだいたい映画の主人公と同じ予後。ただ、それ以外はフィクションだそうで、完全実話っていう訳でもないようです。

前半にもイラっとしたところはありましたが、100歩譲って旅行まではまあよかったです。まず何がイライラしたかって、はっきりしない主人公も腹立つんですが男のほうが特にお子ちゃまで「まつりちゃんがいれば何だってできる」じゃねーんだよ、まつりちゃんは死ぬの!言い換えれば居なくなったら何もできないってことかよ。頼りなさすぎ。
しかし余命の件を黙ってたまつりも悪い。
親友に「カズくんは私の病気、治るって思ってるからね…」←いや黙ってないで早く言えよ

ここからイライラが限界に。色々あっての特別な旅行で、男がまだ寝てる早朝にこっそりホテル抜け出しーの、気付いた男が追いかけて来ーの、「私の病気治らないの。10年以上生きた人はいないって」←おせえよ!付き合う時に言え!プロポーズされてからとか残酷すぎ。それで男も「でも俺は…俺はまつりちゃんが好きだよ」って会話のキャッチボールしようぜ。小学生かよ。現実受け止めろ!
で、そのままうまいこと言いくるめられて1人で帰らせるんかい。なんやこいつ。そばにいたい、手放したくないなら何があっても離れるなよ。

Googleのサジェストに「余命10年 映画 ひどい」って出てくるのは何でかなと思っていたけどよーく理由が分かりました。

シャワーで音消しながら風呂で泣いてるシーン、一瞬何が起こったか分からなかったけどシャワー浴びて部屋抜け出して帰ろうとしてた=カズ君とはそれっきり別れようと思ってたから泣いてたっぽいですね。

で、それっきり会わなくなって病状はみるみる悪化するんですけど、もうダメだってなった時にチャリで病院に行くんですよ。ちょうど。誰から連絡あったとかではなく(多分)偶然。
もらった本もそんなに早く読めるか?閉店処理してそのあと何時間かで。それでタイミングよくチャリ?もうお笑いかと…

よかったのは小松菜奈さんの演技と、劇中の時間経過に伴って主人公の髪の毛も伸びてるところ、あと主人公が死期を悟ってビデオカメラの映像を消してる時に、充電もその命と連動するように残りわずかで電池が切れそうになっててほどなくして主人公が意識を失いICUに運ばれるとか、緑色の服は生命のメタファーとか、微妙に芸が細かい所はよかったです。

その意識失ってICUのくだりで、主人公による生存ルートの妄想?こんな人生だったらよかったのにな〜っていう映像がインサートされます。カズ君と海行って2人で元気にはしゃいで、結婚してウェディングドレス着てみんなに祝福されて挙式して子供産まれて…もう泣かせようと思ってるのが見え見えで、胸焼けしました。旅行以降からずっと冷めてしまって、ある意味お笑いみたいな感じで見てました。

ラストは一度命が助かって、よかったと思わせていきなり時間が飛んで主人公のまつりは既に亡くなっている。桜吹雪の中、カズ君はかつての2人の幻をみる。
私はこれ「逃げ」だと思います。ご想像にお任せします、とかではなく死から逃げたと捉えました。差別化なのかもしれませんが、他が煮詰めすぎて焦げついたカラメルみたいなベチョベチョのくどいドラマティックで、一番肝心な「死」を真正面から捉えず曖昧なままラストへ…正直一番嫌な終わり方でした。
個人的には作者や、同じ病気の人たち、遺族やご家族のみなさんへの冒涜なんじゃないかと(言い過ぎかもしれませんすみません)
もっと低くしたかったですが、悪い意味でこんなに強く心を揺さぶられたので2.8にしました。日テレさん放送ありがとうございました。直後にフリーレンがあってちょうどいい口直しになりました。

イライラして文章がめちゃくちゃで申し訳ないです。細かいことは気にせず、ありのまま純粋に楽しめる人にはオススメですがツッコミ気質で細かいところが気になり、うがった見方をしてしまう人にはおすすめできません。