すずやさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

エゴイスト(2023年製作の映画)

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この映画の前半を見ていて思い浮かんだのがアンドリュー・ヘイの『ウィークエンド』だったので、本当に、ゲイの映画として、ゲイのための映画を作ってくれたんだなあと思った。もちろん100%とはいかないまでも、>>続きを読む

すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

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フランソワ・オゾンの新作ってことで楽しみにしてた1本だけど、さすがオゾン先生、なまっちょろく泣かせに来たりしない。客層が"Summer of 85"を経て少し若くなったりしたのかな?って思ったけどそう>>続きを読む

ヴァン・ヘルシング(2004年製作の映画)

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なんか最初っから最後まで絵面が賑やかというかここまでガシャガシャやって元気やなあ…という感想になった。楽しいし元気でた。
カールくんの気持ちの良いコメディリリーフっぷりにゲラゲラ笑ってしまったし、また
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チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ー(2020年製作の映画)

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差別の現状と、「そんなものあるわけない」と高笑いする指導者の画がかわるがわる映し出されることによって、その差別が一体だれによって行われているものなのか、それを再確認させてくる作りになっているのがなかな>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

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友達とノリで戦線に来てしまった青年がどんどんと心を麻痺させ戦場に馴化してしまう恐ろしさと、それを決め動かす上層部のプライドが若者を死に至らしめる、その二面から第一次世界大戦を描く一本。
戦争はえてして
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チェリまほ THE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(2022年製作の映画)

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何度も何度も繰り返し、「同性婚というシステムさえあれば彼らはこんな思いをしなくてすむのに」と叩きつけてくる部分は凄まじく好感度高かった。同性婚というシステムが存在していれば、きっと理不尽な転勤も、緊急>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

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今の自分が観たい作品だったか?というと疑問も残るけど、それでもやっぱり、このマーティン・マクドナーの描く「人間の意味分からなさ、筋通ってなさ」は愛おしいなあと思ってしまう。たぶん2か月くらいしたら良さ>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

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放浪の王子アムレートが復讐に立ち上がり、割と首尾よく話が進んでくがしかし!って感じの話。「ライトハウス」よりかなりとっつきやすかった印象があるし映像も見ててすごく楽しかった。
どこの神話でも割と叔父さ
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トールキン 旅のはじまり(2019年製作の映画)

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あんまり作家その人の人生と作品そのものを結びつけるのは好きじゃないので、あまり『指輪物語』好きを擽ろうとするポイントに流されすぎないように気を付けてはいたんだけど、それでも、「きっとこの経験は物語のあ>>続きを読む

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

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劇伴をつけなかった判断が正しいかどうかだけは正直判断しかねてるけど、どこか自分の身にも覚えがあるような、なにか重要なことを決めなくちゃならない会議の様子を2時間追体験する。その議題がたとえ"ユダヤ人虐>>続きを読む

世界は僕らに気づかない(2022年製作の映画)

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とても良きだった。
フィリピン人であること、ゲイであること、母子家庭であること、婚外子であること、(もしかしたら都市圏暮らしでないことも)色んな色んな"マイノリティのあり方"が重なって、世界から彼らを
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CHASE チェイス 猛追(2022年製作の映画)

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妻が誘拐されたがしかし、夫婦の不仲やウィルのその粗暴げな外見が相まって逆に疑われ…というお話。最初はもしかして『ゴーン・ガール』が始まるのか…??と疑ってしまったけれどそんなことなかった。あのシナリオ>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

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モリコーネという作家の稀有さについてのお話だった。歌手やその他他のものの背景だった音楽に個性を与えること、それが、映画音楽における音楽の地位向上の始まりだったと知ったし、それがいかに彼の音楽性を作って>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

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ある種の報道記者ジャンルの映画ってあるけど、その中でも自分の中の怒りにまっすぐ届く良作だった。
女性同士の連帯があればシステムをぶち壊せる、それを幻想に終わらせずに済んだことは運の部分もあるかもしれな
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

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なるほどそりゃ流行るよなあ、というのが感想になった。
映画にのめりこんだ幼き頃の記憶の中でだけ、彼は本当の”愛”を見出せる、そんな風に感じたし、それをノスタルジアに浸るな、って切り捨てざるを得なかった
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ナショナル・シアター・ライブ 2022 「レオポルトシュタット」(2022年製作の映画)

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凄……凄かった……
3年くらい前からNTLに通うようになって、その中でもとりわけ好きで再上映の度に通う『リーマン・トリロジー』にも並ぶくらいの衝撃だった。いや、自分の好み的にはそれ以上かもしれない。
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

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ずっとキノだけでしかやってなく、この…!!と思ってた作品やっと見た。
ペルシャ人だとはったりかましたらペルシャ語のレッスンを求められて窮地に陥り咄嗟に言語を創作していく…というものだけど、「2人でしか
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その道の向こうに(2022年製作の映画)

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心に傷を負った人間の友情話。
思いがけないきっかけで、人間同士の距離はふっと近づいて、また離れていく。「こんな場所にいたくない」と思える場所にすらそんな出会いがあるんだから、人生って奇妙なもんだよな…
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

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常時90点あるところに時折150点の風が吹く楽しい映画だった。やっぱ面白い!1作目はわりとゆるっとした記憶しかないけど、2作目のこれは1作目以上に様々なところに伏線を張ってたし、作為的に動作やセリフを>>続きを読む

泣いたり笑ったり(2019年製作の映画)

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唐突に同性と結婚する!と言い出したパパ2人を巡る親子の物語。
「パパが突然同性と結婚すると言い出しても何も動揺しないのは家族に関心がないから」って言い出したのは正直是認しがたいし、結局同性の婚約者を持
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

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終盤の戦が始まるまではかなり楽しんだと思うし、没入してた。新しい部族の下に入るジェイクたち、ってとこには、昨今の移民のモチーフかな?って思ったし、大人より子供がすんなり順応するところとか、それでも子供>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

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やりたいことは分からなくもないし、アレックス・ガーランドがすごいことも分かるけど、映像からしてほんとにトラウマものだった…
統合失調症のメタファーなのかなというのはうっすら分かったけどかなり怖かった…
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ブラックアダム(2022年製作の映画)

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物語の構造はだいぶ不思議な感じになってたけれど、「地元で語り継がれる勇者」と「世界規模の超国家的組織から送り込まれてくるヒーロー」を対立関係に置くのはめちゃくちゃ面白いなと思った。人がどっちを信じるか>>続きを読む

ザッハトルテ(2022年製作の映画)

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最高に可愛い映画だった…あのエンドロールに出てくる「カフェ・ザッハーでザッハトルテを食べながら百面相するマックス・フーバッヒャー」だけでも見る価値がある。彼、ほんとにMarioの時以来にたどり着けた新>>続きを読む

ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界(2022年製作の映画)

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結構いい映画だったと思う、それであんまり見られてないのはほんとに惜しいことだな…と思う。
父と息子、そして息子のそのまた息子の、3世代に渡る不和を主題にしながら、その根底にあるこの世界の環境破壊の問題
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

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いつ公開するんだとやきもきしてた1本やっと見た。
勇敢さとは?名誉とは?その問いかけに必死に答えを出そうともがく2時間。勇敢だから名誉がある、というわけでもなく、常に自分の行動を疑い、前に進み続けなけ
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ウエスト・エンド殺人事件(2022年製作の映画)

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結局これは邦題がつかなかったってことで良いのか?どうしてそこまでサーチライトピクチャーズにやる気がないのか、あるいは余裕がないのか分からんけど…吹替とかもつけて欲しかったのな…

刑事と巡査のバディミ
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

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マシュマロ並にフワッフワした柔らかく甘いお話。時々入る挫折もまた人生のスパイス、ってね。
夢をおうこと、その犠牲、色々考えたけど、
やっぱり、自分にとって輝いて見えたドレスへの思いの真っ直ぐさに1番心
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

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個人的には結構楽しかった1本。
芸術と生死、料理と客、本来あるべき倫理観が全て反転している。それを芸術と呼び表していいのか。
結局芸術はそれに高い金を出し、虚を満たしたい欲求に駆られるひとだけのものな
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