すずやさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

AIR/エア(2023年製作の映画)

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めちゃくちゃ面白かった…内容云々というよりも、久々に時間を忘れるほど物語に没頭できる作品で本当によかった。楽しかった。
時に、スポンサー企業やチームの名前を凌駕するほどに、その選手自身が大きな価値を生
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WOLF ウルフ(2021年製作の映画)

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矯正施設モノ(と呼んで良いのかは微妙だけど)にしては、「施設からの脱出」っていうゴール設定がかなり曖昧な作品だなという印象だった。
ジョージマカイが普段からいかに鍛えてるかということを見る作品。フィン
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

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ホモフォビアとヘイトクライムと陰謀論の関係性を上手く物語に取り込んでただけに、あの終わらせ方にどうして……どうして……ってなってしまった。ずっとエリックの視点からしか物語を見られなかったから、リアクシ>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

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吹替版で見たからか、ボケにボケを重ねるツッコミのいない時間が流れててもうどこにツッコめばいいんや…!ってなってしまった。
『暗黒と神秘の骨』のジェンヤさんことデイジーヘッドがいたのが1番びっくり。クロ
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デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

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カオティックでありながらも、「その世界の主は何を見ていたのか」っていう軸で貫かれた良作だった。伝記的なドキュメンタリーで、「その人が社会にどのような影響を与え、社会はどれほどそれに狂ったのか」に留まる>>続きを読む

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

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ニック・ケイジ愛が、ニック・ケイジの映画への愛があちらこちらにぶつかりながら蛇行するパワフルなジェットコースタームービーでかなり楽しかった。
まさか本当に『パディントン2』観たくなると思わんじゃん……
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The Son/息子(2022年製作の映画)

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父親業の美しさを描く気なんて微塵もない感じが凄まじく好感度高かった。自分の年齢もあって、「心配だからと土足で自分の心を踏み荒らす両親」っていう描写が刺さってしまって…何が息子を不安にさせているのかを微>>続きを読む

シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)

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とにかく、2010年代をティーンエイジャーとして生きた世代のサブカルネタを存分に盛り込んでるな…という印象があって、世代ど真ん中の私は完全に撃ち抜かれてしまった。「ロードオブザリング」や「ゲームオブス>>続きを読む

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

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残りわずかの余命の中で、どうにか息子を"父と母のいる普通の家庭"で育てられるよう、息子の里親を探す物語。
「子供には両親が居なきゃ」と思い、なんとか叶えようと行動するけれど、そう願ってしまうのは愛情か
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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Fan's voice様の試写にて。
「早く大人になりたい」と願う幼さと、「こんなに早く大人になるんじゃなかった」と願う幼さのぶつかり合いについての映画。自分があれほど欲しいと願った”大人であること”
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グッド・ナース(2022年製作の映画)

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「こんなエディ・レッドメイン近くにいて欲しくない」選手権堂々の優勝だった。博士と彼女のセオリー以降の作品ほぼ全部みてると思うけど、それでもぶっちぎりで近づいて欲しくないエディ・レッドメインだった…なん>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

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カメラの持つ暴力性、加虐性の話だった。
カメラは撮られる人の感情には沿わず、こうであって欲しいという願い、隠したいと願う感情の、その両方を顕に写し出してしまう、という暴力性がある。だし、逆に、撮る人の
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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面白かったけど、正直結論がまったくもって私に合わない…
事前評で言われていた通りのレズビアンの映画で、なるほど、と思う部分はすごくあった。母親にレズビアンであることを認めて貰えない、ガールフレンドをガ
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ワース 命の値段(2019年製作の映画)

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いい映画だったな…
冒頭の飛行機のエンジン音にゾッとさせられた(もうあの場面を何度もドキュメンタリーや映画で見てきたから)のはかなり怖かったが…
人間は数字じゃなく、その中に生きてきた膨大な時間があっ
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

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普通になりたい欲望と人を食いたい欲望の狭間で、愛を求め孤独から逃れようともがく青春映画だった。とてもよかった…"こんな自分に望んでなったわけじゃない"という悔しさと、孤独感からクィアネスの輪郭を描き出>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

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とってもおもしろかった!もう数年待ってたからねこの映画のこと…
もし船が沈没し無人島に数人が漂着したら、いったいその小さな人間集団にどんな権力のダイナミクスの変化が起きるのか?ということを実験したよう
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

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年輪のように積み重なる色々な人生の軌跡、その通過点にあるエンパイア劇場。その劇場の持つ"光"の話だったなあと思う。
自分の人生は自分のもの、立場の弱さゆえに虐げられる登場人物たちの生き様からそんなこと
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

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面白かった!!
"聖性"とはなんたるものか、それを様々にふるいにかけるストーリーテリングが好き。結局この映画は神の実在を信じちゃいないな、というのがこの映画に対して抱いた感想だった。
あと結局ベネデッ
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タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター(2023年製作の映画)

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今回のリバイバル上映で初めて見ることになったのだがとても良かった…後半の沈没していく船内と人間のパニックの様が映画館の大画面だと迫力がすさまじかったのと、ジャックとローズが思いを寄せ合うさまがすごく丁>>続きを読む

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

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正直なとこもうマルチバースの話をされるのに疲れ始めてしまって、なんか知らない世界の話にわくわくするより先に「またマルチバースか」になり始めてるのがかなり悲しい。
結構もう「知らない世界の話」でワクワク
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バビロン(2021年製作の映画)

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極限まで事前の期待値を下げてったおかげか、見ていても案外イケるな?とは思ったものの、色んなものを突っ込んでジャズ味に染めた闇鍋映画だったな…という印象しかない…合わんわ…
きっと監督が愛しいつかその愛
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対峙(2021年製作の映画)

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すごくキリスト教的な「赦し」についての話だったように思う。
銃の事件で加害者と被害者の息子を失った両親の対話に、果たして「和解」や「癒し」などありうるのか?ということばかりが頭を離れなかった。結局、生
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エゴイスト(2023年製作の映画)

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この映画の前半を見ていて思い浮かんだのがアンドリュー・ヘイの『ウィークエンド』だったので、本当に、ゲイの映画として、ゲイのための映画を作ってくれたんだなあと思った。もちろん100%とはいかないまでも、>>続きを読む

すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

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フランソワ・オゾンの新作ってことで楽しみにしてた1本だけど、さすがオゾン先生、なまっちょろく泣かせに来たりしない。客層が"Summer of 85"を経て少し若くなったりしたのかな?って思ったけどそう>>続きを読む

ヴァン・ヘルシング(2004年製作の映画)

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なんか最初っから最後まで絵面が賑やかというかここまでガシャガシャやって元気やなあ…という感想になった。楽しいし元気でた。
カールくんの気持ちの良いコメディリリーフっぷりにゲラゲラ笑ってしまったし、また
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チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ー(2020年製作の映画)

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差別の現状と、「そんなものあるわけない」と高笑いする指導者の画がかわるがわる映し出されることによって、その差別が一体だれによって行われているものなのか、それを再確認させてくる作りになっているのがなかな>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

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友達とノリで戦線に来てしまった青年がどんどんと心を麻痺させ戦場に馴化してしまう恐ろしさと、それを決め動かす上層部のプライドが若者を死に至らしめる、その二面から第一次世界大戦を描く一本。
戦争はえてして
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チェリまほ THE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(2022年製作の映画)

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何度も何度も繰り返し、「同性婚というシステムさえあれば彼らはこんな思いをしなくてすむのに」と叩きつけてくる部分は凄まじく好感度高かった。同性婚というシステムが存在していれば、きっと理不尽な転勤も、緊急>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

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今の自分が観たい作品だったか?というと疑問も残るけど、それでもやっぱり、このマーティン・マクドナーの描く「人間の意味分からなさ、筋通ってなさ」は愛おしいなあと思ってしまう。たぶん2か月くらいしたら良さ>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

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放浪の王子アムレートが復讐に立ち上がり、割と首尾よく話が進んでくがしかし!って感じの話。「ライトハウス」よりかなりとっつきやすかった印象があるし映像も見ててすごく楽しかった。
どこの神話でも割と叔父さ
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トールキン 旅のはじまり(2019年製作の映画)

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あんまり作家その人の人生と作品そのものを結びつけるのは好きじゃないので、あまり『指輪物語』好きを擽ろうとするポイントに流されすぎないように気を付けてはいたんだけど、それでも、「きっとこの経験は物語のあ>>続きを読む

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

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劇伴をつけなかった判断が正しいかどうかだけは正直判断しかねてるけど、どこか自分の身にも覚えがあるような、なにか重要なことを決めなくちゃならない会議の様子を2時間追体験する。その議題がたとえ"ユダヤ人虐>>続きを読む