anemoneさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

裸足になって(2022年製作の映画)

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リナ・クードリが素晴らしい。
痛々しくも、力強く、反骨精神に満ち溢れたあの眼差し。
バレエ初心者にも関わらず、背中を柔らかく使っていてしなやか。

傷ついた女性たちの踊るコンテンポラリーは、叫びで、祈
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栗の森のものがたり(2019年製作の映画)

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スロヴェニアから、メランコリックな秋の贈り物
金のインクで書き綴った叙事詩のような美しさ。
画面いっぱいに広がる金色の絨毯、
黒い森と薄紫色の空、賭け事をする男たちの、赤く焼けた手とテーブル
レンブラ
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天使の影(1976年製作の映画)

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退廃美に溢れた戦後ドイツ、ゴミ溜めのような人と街
猫を抱き、うずくまるイングリット・カーフェンが最高に美しい。

戦後ドイツのトラウマがこれでもかというほど痛々しく描かれており、"敗戦国"日本のそれと
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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上はこの世、下はあの世
何層ものレイヤーでできた物語り
仏教のような世界

女中のおばあちゃん達の、夕食のメニューを考えたり、つわりの話をするときに襖を閉めたり、ピンクの日傘をさしていたり、日々の営み
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イノセンツ(2021年製作の映画)

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深緑色の湖、軋むブランコ、膝を怪我してしまいそうなコンクリート、四角い窓のこそこそ話、静寂の森、銀球
さあ、夏休みが始まる

透明な何かに、思わず触れてしまったような不穏なビブラフォンがみぞおちに響く
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

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part of your world、歌もビジュアルも最高だった
水面に向かって泳ぐアリエルの、メタリックでキラキラな鱗、薄く透けるチュールみたいなヒレ
このシーンは、唯一原作の"海に生きる切なさ"を
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英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2022/23 ロイヤル・バレエ 「シンデレラ」(2023年製作の映画)

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絵本から飛び出した魔法のようだった…

ネラ様のシンデレラ、曲線的で滑らかで優美。アシュトンの音楽にぴったりで、どんな複雑なステップも軽やか
柔らかいんだけど、アラベスクとかプロムナードはきちんと直線
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

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ゲーム音痴な私が、唯一自分で買ったゲームがスーパーマリオブラザーズ(wii)
ゲームのビジュアルといえばソニーだけど、私は絵本みたいな任天堂の世界観が好き。

ピーチ城の、ふわふわな雲の絵画やピンクの
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美女と野獣(1946年製作の映画)

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ジャン・コクトーの美女と野獣

とても贅沢な時間だった。
まるで、宝石達の晩餐のよう

特に、繊細で豪奢な衣装が見どころ。モノクロに映るビジューの煌めき、格調高いベルベットや刺繍の生地
また、野獣の屋
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ブローニュの森の貴婦人たち(1944年製作の映画)

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エレーヌの人形のような造形
アニエスのジュリエットのような寝顔

髪のウェーブの艶、アイシャドウのラメ、ヴェール、一粒の涙
反射してキラキラ輝く白と、漆黒の翳
モノクロゆえに、褪せない

ジャン・コク
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バビロン(2021年製作の映画)

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赤、金、黒、熱気と狂気の楽園
下品さにすら生のエネルギーを感じる
マーゴット・ロビー演じるネリーの、満ちることのない渇望

サーカス、オリエンタリズム、男装の麗人
その中心で踊り狂う彼女の美しい四肢
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ヌレエフ:伝説と遺産(2022年製作の映画)

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衣装も振り付けも、ヌレエフへの敬意が込められたガラ

ホワイトクロウと呼ばれるヌレエフ、彼のパッションは白い炎
芸術の燈は、プチ・フレームたちによって受け継がれている

眠れる森と海賊目当てだったのだ
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

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ついに、大好きなラストエンペラーを劇場で…

哀しく、美しく涙が止まらない
こんなにも音楽と映像の融合が素晴らしい映画があるだろうか?

紫禁城では、いつも誰かが泣いていた。
鳥籠の、眼鏡をかけた美し
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

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彼の血管にはメロディが流れている
本当にそうだと思う。

甘美で切なく、それでいて情熱的な旋律には、やはりイタリアのアモーレの血を感じる
彼の音楽は人物そのもので、"ウエスタン"のジルのテーマを聞いた
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殺しを呼ぶ卵 最長版(1968年製作の映画)

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真っ白な鶏たちの中に佇む夫婦
燃え盛る車と血まみれの女
卵黄のような黄色のワードローブ
若い肉体への執着、残酷趣味、非情な資本主義の末に生まれた畸形ブロイラー
肉への欲望が、豚ではなく鶏で表されている
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マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説(2021年製作の映画)

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初めて買ったデパコスはマリークワントでした。

ミニスカート、襟付きトップス、ジャンパースカート、タイツ
ドット柄、デイジーのロゴマーク
彼女のデザインは、ポップでプレッピーで上品

セクシーさを大切
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ミトン(1967年製作の映画)

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ロマン・カチャーノフの人形たちはシンプルな表情だけれど、繊細な機微を表現している

女の子の赤く悴んだ頬や、東欧チックなカラーリングに少し悲しい温かみを感じた。
ママの丸メガネ×ショートカットが超オシ
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グレムリン(1984年製作の映画)

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ママがグレムリンをオレンジジュースにしてしまうなど、クリーチャーホラー感が好き
フィービー・ケイツってザ・80s美少女顔で、ちょっと気の強そうな感じが良い

ティム・バートン監督版も見てみたかったな
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百万長者と結婚する方法(1953年製作の映画)

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マリリン・モンローのホワイトブロンドと赤いリップ、まるでwhite kitty
近眼で、眼鏡をかけているのがまたキュートなのです。
ダムブロンドを演じていながら、賢さが滲み出ている

銀幕から現れる
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ミッキーの騎士道(1933年製作の映画)

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お姫様が、三角帽を被っているのが中世らしくて可愛い