「極限状態」を標榜する映画は多々あるが、事故の描写、雪山の過酷さと飢餓への恐怖等、圧倒的な救いのなさで打ちのめされた。
あの中に放り込まれていたら、自分はどんな選択をしただろうか…。2時間半を超える長>>続きを読む
鍼灸師を中心に据え、目の不自由さに対する人々の無意識の偏見を逆手にとった脚本が見事。単にサスペンスとして見せるだけでなく、「人々を行動へと駆り立てるモチベーションになるものってなんだろう…」そんなこ>>続きを読む
正直、文字数が多く野暮ったいあのポスターしかみていなかったら、手を出さなかった作品だと思う。複数の人のおすすめを目にして、アマプラの見放題に入ったと聞いたので鑑賞。
いやぁ、観てよかった!本気でキュン>>続きを読む
こういった映画は、何を語ってもネタバレにつながってしまいそうなので、ネタバレなしのレビューは難しい。
あえて言うとすれば、「色々と考えずに、素直に騙された方が楽しい」ということですかね…。
全く違っ>>続きを読む
観ている途中で気がついたが、この映画、至る所で、画面の真ん中に境目がくる構図が出てくる。単に監督の好みというわけではなさそうだなと思っているうちに、陰影と光のコントラストも様々な場面で使われる。
なる>>続きを読む
元々自分が、タイムリープとか、タイムループを扱った作品が好きということもあるのだけれど、この作品も、いつ観ても心に響く佳作だと思った。
タイムループを仕事と絡めているアイデアがやっぱり秀逸で、「ワー>>続きを読む
そもそもの設定も、合唱部関連の部分も、全く知らない世界だが多分ヤクザ関連の部分も、ツッコミどころは山ほどある。けれど、そんなこたぁどうでもよく、聡実と狂児のブラザーフッドの深まりが、あたたかな笑いと共>>続きを読む
ゴールドボーイを観たばかりなので、岡田将生の印象の振り幅が面白かった。
外見はいいのに中身が残念という主人公を、軽やかに演じていて、力を抜いて楽しめた。清原伽耶も役にはまってる。
原作と比較してしま>>続きを読む
原作漫画が大好きで、1巻が出た時からずっと買い続けてきたので、映画化は本当にうれしく、楽しみに劇場に向かった1年前。観た人たちからは絶賛の声が多かった中、自分の期待が高過ぎたのか、結果は少し残念だった>>続きを読む
娘11歳と父31歳という年齢設定が、この映画の醸し出す不安定さを方向づけているような気がした。
娘のソフィは、聡明でビリヤードも上手いが、歌は上手くなく、水にも潜れない。年下とは交じろうとはせず、誘わ>>続きを読む
サラを失脚させてその位置まで登り詰めたアビゲイル。自分の言う通りに振る舞うよう求めてくる幼馴染のサラを切り捨てて、女王らしく自分で決断する道を選んだアン。最後にぼんやりと宙空に目線を送る2人の目には、>>続きを読む
アカデミー賞受賞式で
助演男優賞プレゼンターのキー・ホイ・クァンに対する、ロバート・ダウニー・Jrの振る舞いがニュースになった。それを報じる映像の中には、本作ドン・シャーリー役のマハーシャラ・アリもい>>続きを読む
食わず嫌いで、恥ずかしながら、タランティーノ作品は初めての鑑賞。でも、率直に面白かった。
一見、バラバラに思えるストーリーが、絶妙なバランスでつながっていき、画面の中で起こっていることは超胸クソなの>>続きを読む
最初に泣いてしまったのは、ずっとカーディガン姿だった山添が栗田科学というジャンパーを羽織った場面。
そして、涙が止まらなくなったのは、渋川清彦演じる山添の元上司が、山添の言葉を聞いて顔を歪ませるカフェ>>続きを読む
いやぁ、面白い!
演劇的な演出が冴え渡っているけれど、やっぱり映画でなければ表現できない部分が丁寧に描かれているからこそ、その超越っぷりが生きてくるんだなと、改めて思った。
後半のたたみかけるような展>>続きを読む
セリフもほとんどなく淡々と描かれる平山の日常を眺めながら、自分の心も次第に整っていくような気持ちがした。それは、平山が、流行り廃りとは無縁に、自分が手を伸ばせる範囲の中で、丁寧に暮らしを重ねているシン>>続きを読む
校長が「しょうもない、しょうもない」と言いながら、湊に語った「誰でも手に入るものを幸せって言うの」という言葉を考えた。
だとしたら、その幸せをみんな求めているのに、どこでボタンを掛け違えているのだろ>>続きを読む
浩一を建物の陰につき飛ばし、自らは、ゴジラの爆風に巻き込まれた典子。浩一が、改めて通りに戻った時には、典子どころか、誰の姿もなく静まり返っていた場面。突然の災害や戦争に巻き込まれ、大切な人を急に失わざ>>続きを読む
杉咲花の熱演、志尊淳の支え、小野花梨の友情、子役の子のたたずまい、西野七瀬の豹変、池谷のぶえや倍賞美津子の味わい等々、トンデモ男の宮澤氷魚であっても、アパート玄関口でのシーンなど、良いところは山ほどあ>>続きを読む
細部まで、よく作り込まれた映画だった。
年代はあえてぼかされて、それぞれの都市の景色もどことなくファンタジーな味わい。なので、荒唐無稽な天才外科医のなせる技も、観客は違和感なく受け止められる。
ただ、>>続きを読む
時間だけが過ぎてゆく絶望感
「あのタイミングで、ああしておけば…」
側から見れば、それが正論。
そんなことはわかっている。
でも、そのタイミングでは、そうはできなかったんだって…。
途中で努力もしよう>>続きを読む
「理解する側だって思うなよ」
っていうセリフが刺さった。
あぁそっか、「理解する」って思ってる時点で、自分はマジョリティの立ち位置なんだな…。
正直、自分は「明日、死にたくない方の人間」なので、苦し>>続きを読む
言うまでもなく映画史に残る大傑作なのだが、2024年の今観てみると、昔観た時とは違った部分に目がいく。
・陪審員は男しかいない。
・陪審員にアジア系やアフリカ系がいない。
・女性を揶揄するセリフも普通>>続きを読む
悪知恵が働き、自分の感情を自由に操れる者は、強者として生き残り、頭が回らない者や人に情けをかける者は、搾取の対象となって強者に消されていく…。
「徳なき知育は知恵ある悪魔をつくる」という言葉があるが、>>続きを読む
自分としてはかなり面白かった。
主人公のモンクの身内は医者だらけで、自身も文学博士。
父親の不倫と自死、母親のアルツハイマー、姉の離婚と突然死、兄も離婚経験者で同性愛者で薬物依存で、しかも、兄と姉から>>続きを読む