このレビューはネタバレを含みます
「そう、私です」
史上最年少で、一人前の魔女になった主人公イレイナが、自身が魔女を目指すのに影響を受けた冒険の本に習って、気ままに旅に出ていくお話である「魔女の旅々」
その行く先々での出会いと別れ、騒動やほっこりエピソードを毎週見ていくロードームービーのような仕上がりとなっております。
この辺はウォンカーウァイ監督作品の「マイブルーベリーナイツ」みたいな感じです。
そのロードムービーっぽい作りで12話作れるという強みを最大限に活かし、毎週全く別の作品じゃないかというくらいストーリーの起伏が激しいのが、個人的には評価ポイントとなります。
ほっこりする師弟愛のお話や、挫折を繰り返す魔女見習いが一人前になるのを手助けする話なんていう素敵で心温まる話を見た翌週には、
頭おかしくなっちゃって植物に食べられてしまう人間を見届けたり。
あるいは過酷な家庭環境のせいで犯罪の道へ進んだ死刑囚を過去に戻って道を正そうとする幼なじみの手助けしたら、実はその死刑囚は生い立ちとか全く関係なく単にシリアルキラーで人を殺すのが楽しくてしょうがなかったとか、胸糞悪いお話も平気で混ぜてきたりします。
このバランスが絶妙で、作画も綺麗だったこともあり飽きずに最後まで楽しめました。
最終回も大変この作品らしく、まさかの主役を演じるえでちゃんの1人22役のエンドクレジットは壮大でしたし、ちゃんと納得のいくオチの付け方で、少し哲学的な示唆に富んだものだったと思います。
もっというと最後のCパートで初登場の意味ありげな登場人物が出てきたまま終わったりで、二期も期待できそうではないかと思います。
魔女の旅々はいいぞ!