りっと

エデンのりっとのネタバレレビュー・内容・結末

エデン(2021年製作のアニメ)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

自然豊かなエデン3で過ごすロボットは、ある日人間の赤ん坊を拾う。人間は悪であるとされる世界で、ロボットたちは赤ん坊にサラと名付け、コッソリと育てていた。成長したサラはある日自分と同じ人間の声を聞く。その声に導かれて、彼女は人類に迫る危機とその原因となった過去を知るのだった。彼女は親であり仲間であるロボットたちと共に、危機を救うため動き出す。
ロボットに育てられた少女を中心としたハートフルな未来SF。

キャラクターはコミカルで可愛らしく、絵柄も絵本のようで素敵。題材も面白いし、お話も練られている。
ただ、全てが他の作品で既に一般化してから随分経つ「普通」でしかなかったのが残念だった。この作品ならでは、というのがない。

「人間は世界にとって有害なのか」「人間がこの世界にいる意味はあるのか」とか、「家族とは何か」「ロボットとも家族になれるか」とか、確かに壮大で重要で温かいテーマだけど、そんなのいくらでも他の作品がある。しかもそれが数少ないわけではなく、もはや使い古されていると言ってもいいストーリー展開。
しかもこれらのテーマの取捨選択が仕切れておらず、加えて全体的に緩急が弱いから一つ一つの伝えたいポイントが見えてこない。せっかくあれこれ詰め込んだものが、全部ピンボケしてぼんやりしてしまっているのが残念。

ある意味、よく見る題材だったので世界観に入りやすいっていうのはあったかもしれない。
けれどせっかく世界のクリエイターが集まって作るというもので、かつ日本のロボットアニメの系譜も意識しつつ作っている(ように見えた)のだから、日本のアニメの良さを押し出しつつ、なにかひとつでも独自性をつけてほしかった。
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