Matsuhero

アキバ冥途戦争のMatsuheroのネタバレレビュー・内容・結末

アキバ冥途戦争(2022年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「萌と暴力について」

私の大好きなPAワークスとCygamesが手を組んだ新作アニメということで、放送前からとにかく期待値の高かった本作。
1話の文字通り開いた口が塞がらないまま駆け抜けた衝撃の30分から早3ヶ月で最終回を迎えました。

とんでもない伝説級の怪作、数年に一度現れるか現れないかレベルの狂気の沙汰。これが評価されない世の中ならもう自分はアニメ見なくていいかなとすら思えました。
だって萌え萌えキュートなメイドが、真面目に深作欣二作品とか高倉健、鶴田浩二あたりの任侠ものやるんですよ?
指の代わりにツインテール詰めてるんですよ?こんなバグってる設定あります?アニメでしか表現できないまさにオリジナルアニメの醍醐味、真髄だと思います。

第一話のあまりにも衝撃で予想外の内容から30分間、よくない薬でも打ってたのかというレベルで口開けっ放しで何これ何これと呟くしかなかった私。
その衝撃から最終話まで衝撃度が下がらず維持、あるいは上回り最後まで衝撃が落ちなかった脚本と演出の狂気。
BPOやらなんやらも全く恐れず、エンタメとして割り切って最後まで命を軽く扱い、簡単に人を殺す世界をやりきったことも、昭和の任侠者のセオリーをきちんと踏襲しつつも、萌え、メイドの要素も疎かにしなかったバランスと、伏線回収、「萌えと暴力について」というテーマの筋を通しきったことは賞賛に値すると思います。

そしてキャストの今までの役所とは全然違う演技。きったねえ声やらドスの効いた声やら、およそ人気女性声優が出すはずのない声を怖れなく熱演しきってくれたことが、この馬鹿馬鹿しくもクソ真面目な世界感を絶妙なバランスで成立させてくれたと思います、
ましてや下手したら5秒で消えてく方々が、あんな大物声優のオンパレードというのも意味不明です。あやち、、、。りえりー、、、。

さらにこの手の流血必須の作品ではありますが、
しっかり笑えるところは笑える、
ギャグのセンスも鋭かったと思います。

全方位に尖りまくってて、最後まで挑戦し続けた作品だったと思いますが、だからこそ最後まで驚かせ続けられましたし、ワクワクハラハラさせてもらえました。
正直、メイド服着た女の子が、文太ばりの広島弁でカチコミに行くアニメは、後にも先にもこの作品だけになると思います。そういう意味でも後世に残るレベルの怪作だと思います。全然畑は違いますけど、クラウスノミとかフィリポインザーギ的な唯一無二っぽさを感じました。
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