スコア意味なしメモ用
●感想
劇中、「歳だから転べないのです。矢部さんはいいわね、まだまだ何度も転べて。」という大家さんの言葉に思わずハッとした。正直、いまの人生に全く満足していない自分には刺さった。
「七転び八起き」という言葉やセリフは今まで何度も聞いてきたけれど、こんなに嫌味なくスッと入ってきたことは初めてだった。
明らかに育ちの良い大家さんと、失礼ながら売れない芸人の矢部さんとのコントラストが目立つと思いきや、なんというか声優さんが素晴らしいのも相まって、この二人の波長はそれは気持ちよく重なり、とても柔らかい距離を保っていた。
大家さんはもうお亡くなりになられたということですが、矢部さんにとってこの人との出会いは、大きな価値あるものだったのではないかと勝手に思いました。
心を通わせる相手という存在は、血や性別、年齢など関係はないのだとそんなことを考えるきっかけになった優しい、それは優しい物語でした。矢野顕子さんの音楽も含め、このお話の世界観がとても好きになりました。
