ゆぴこ

ゼム シーズン1のゆぴこのレビュー・感想・評価

ゼム シーズン1(2021年製作のドラマ)
4.0
1914年から1950年まで続いた「黒人大移動」時代。エモリー一家もそんな時代の流れでコンプトンに新しい時代を求めてやってきた家族のひとつ。

一家はここに来るまでに、ひとつ大きな差別の試練に遭って来ているのだけど、それが冒頭の白人のおばあさんの「その子ちょうだい〜」のシーンのこと。この日何があったかは、第5話で明かされることになれけど、それは到底言葉にできないし、見るのにものすごい体力を使った…。

悲劇を経てコンプトンにやって来たエモリー一家を待ち受けるのは、“黒人お断り”の白人たちだけのコミュニティ。そしてこの家の住人たちを悩ますのは、目に見える白人たちからの嫌がらせだけ、じゃなくて…

長女ルビーが自らの人種を否定して白人に憧れる気持ちがとても辛かったし怖かった。「あなた可愛いね、黒人にしては」ルビーが学校で言われた1番マシな言葉の真相を知ると再び絶望に襲われてしまう。

個人的には5話、9話、10話が閲覧注意レベル。こっちもメンタルをガシガシ削られるんだけども、コレ、演じる方も相当辛かっただろうな〜…

白人からの黒人差別の裏に、男性からの女性差別が根深くあって、これに家庭や職場で大いに苦しめられている白人女性の姿も印象的。これは『THEM』の裏テーマとも言えると思う。
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