musicboxrock

メア・オブ・イーストタウン/ある殺人事件の真実のmusicboxrockのレビュー・感想・評価

4.6
昨年のエミー賞でクィーンズ・ギャンビットと作品賞を争った本作。賞はクィーンズに譲ったが、本作も負けずかそれ以上素晴らしいドラマだった。
(甲乙付け難く自己評価は同点に)

クライムサスペンスものは脚本が命だが、本作は脚本が完璧。ドラマというフォーマットも活かしながら、テンポ、ストーリー、キャラ設定などほんとバランスよく素晴らしかった。ネタバレるんで書かないけど、序盤から最後まで見事に視聴者の予想をいい意味で撹乱、裏切りながら鈴村ストーリーはほんとハラハラの連続で一気見すること必死。

そして、キャストも演技も最高な一つ。
なんと言ってもエミー賞主演女優賞を取ったケイト・ウィンスレットの怪演。あのタイタニックのローズとは思えないほど、本作のケイトは心に傷を抱えたやさぐれ感満載の中年女性をリアルに演じてます。あえて補正や若作を拒否したという本作のメアは化粧もほぼ無し、やつれて、ダブダブの服を着て、電子タバコを蒸しながら酒をラッパ飲み。このリアルさが惹きつけられるリアリティと魅力の軸になってます。

設定をイーストタウンという片田舎の小さな街にしたのも面白さを作ってる一因。
小さな街なので住民みんな顔見知りや縁戚状態だからこそ、誰が犯人になってもおかしくない緊迫感。ほんとヒリヒリ感が終始半端ない。

薬物問題や自閉症、同性愛に浮気や淫行と言ったアメリカ社会の闇を全て内包しつつ、それらをエッセンスとして活かしつつストーリーの主軸はメインテーマの愛に置いてるのが凄かった。
表面的には救いがない話なんだけど、最後は希望を持てる感じになってるのはほんと奇跡的な作品かと。

HBO作品でU-NEXTでしか見れないけど絶対オススメの本作。機会あれば是非観てみてください。

あ、登場人物多くて初め混乱しますがくれぐれもネタバレサイトとか見ないように!
musicboxrock

musicboxrock