KOTAYOSHIDA

未来世紀 SHIBUYAのKOTAYOSHIDAのレビュー・感想・評価

未来世紀 SHIBUYA(2021年製作のドラマ)
3.8
白石晃士監督節がもれなく炸裂しているリミテッドドラマシリーズ。時代は2036年のシブヤ、そこからメインの舞台となるのが「裏渋谷」と呼ばれる完全にスラム化してしまった地域で、現在絶賛進められている渋谷のジェントリフィケーションの様子を見ていると、このまま更に格差が進み、貧困が蔓延すれば間違いなくこうなるよなというリアルな描写にめちゃくちゃ鬱になる。最近だと「キャンディマン」という映画で、貧しい公営住宅地区からジェントリフィケーションによって建てられた高級コンドミニアムが見えるというショットがあったが、この作品でもまさに貧困地帯から高級な高層ビルが見えるいうショットがあり、非常に近い未来という意味で本当に生々しい。何より未来であるはずなのに、未来感が全くなく非常に安っぽい。テクノロジー自体は発展していつつも、人間自体はむしろ明らかに後退しているような印象の描き方でこれもまたリアル。

内容はというと、白石監督作を履修している人であればもれなく嬉しいセルフオマージュ展開が目白押しで非常に楽しい。更にはコワすぎ!シリーズの見所の一つでもある、伏線を回収した途端話が一気にバカデカくなる超飛躍もありで、ラスト2話の荒唐無稽さには流石白石晃士!と唸った。とにかく白石晃士ファンであればマストでチェックして欲しい作品。
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