パワードケムラー

ムーンナイトのパワードケムラーのレビュー・感想・評価

ムーンナイト(2022年製作のドラマ)
4.0
MCUにおける神の種類は

・“神“と呼ばれる宇宙の種族。肉体を持った神々で、正確にはエターナルズに匹敵するほどの戦闘力を持った宇宙人たちの総称。一応、信奉者も存在しており、自らを神と自称する(ソーをはじめとするアスガルドを中心とした北欧神話の神々、霜の巨人たちにムスペルの巨人スルト、ゼウスやハーキュリーズを筆頭とするオリュンポスに住むギリシャ神話の神々など)
・別時空に本体を置く高次元精神生命体。こちらの世界に干渉するには人間の器”アバター“が必要で、アバターにするにはその人間の同意が必要。姿はアバターやそれに類する存在にしか見えない。(今回登場したエジプト神話の神々)
・宇宙各地で光を生み出すために人為的に創り出された神々。世界各地の宗教のモデルになったが、実際は神よりもサイボーグに近い(エターナルズとディヴィアンツ)
・ビックバンと共に誕生した原始の神々。人間が想像する神に最も近しい絶対的存在(セレスティアルズ)
・あらゆるマルチバースを観察する存在。一応、異常に大きな頭を持つの人間という肉体を持つが干渉はしない。(ウォッチャー、スタン・リー)

の5種類かな。あと、現時点で匂わせる程度の

・ビックバン以前より存在する混沌の闇で、セレスティアルズによって光が生み出されて自らを引き裂かれたことに怒り、ヴェノムらの種族「シンビオート」や神殺しの剣「オールブラック・ザ・ネクロソード」を創造した黒衣の王ヌル

を含めた6パターンの”神“の概念があると考えればいいのか。多種多様な宗教観のるつぼと化したアメリカで、数多の神話の登場人物をキャラクターにしてきたMCUにおいて、上手いこと神話ごとの世界観を矛盾しないように混ぜ合わせたな......と感動すら覚える。

特に今作ではエジプト神話をめぐる戦いをマークとスティーヴンの妄想なのかわからなくすることで、スパイダーマンで語られた「北欧神話のソーの話が物理の授業で出てくる」ということと矛盾しないように心がけているように思う。

また、姿が見えずに爪痕や噛み跡だけ残すアヌビスの設定は海外ドラマ『スーパーナチュラル』の地獄の猟犬、同意を得ないとアバター(器)にできない設定は同じく『スーパーナチュラル』の天使と悪魔の設定を想起させ、その描写や演出もそれに近いように思える。